2013 Fiscal Year Research-status Report
印刷プロセスによるアクティブマトリックス近赤外光センサシステムの試作
Project/Area Number |
25630137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 毅 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80372407)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機トランジスタ / プリンテッドエレクトロニクス / 大面積センサ |
Research Abstract |
本研究は、環境(アンビエント)エレクトロニクスに整合する大面積かつフレキシブルなシート型のアクティブマトリックス近赤外光センサシステムを印刷技術で実現することを目的とする。この近赤外光センサシートは印刷により作製した大面積有機トランジスタ駆動回路、バルクヘテロ接合型有機PN接合(フォトディテクタ)アレイ、有機発光ダイオード(LED)アレイにより構成する。デバイスは、大面積プラスティックシート(50×50 cm2)の上に作製し、近赤外光の反射光計測により人、物などの動きを3次元かつリアルタイムで検出することを目標とする。 初年度は、実効面積50×50 cm2のプラスティックシート上に多チャンネルの赤外領域光センサを作製し、これをスクリーン印刷で作製した有機トランジスタとの集積化に成功した。また、有機LEDとスクリーン印刷で作製した大面積アクティブマトリックス型発光アレイの作製にも成功した。具体的には、有機トランジスタのチャネル長を実績のある50ミクロンで作製し、駆動電圧を目標以下の50Vで駆動することが出来た。これと光センサおよび有機LEDと集積化することで、その動作を確認し、印刷で作製した有機トランジスタアクティブマトリックスで、光センサや有機LEDが十分に駆動できることを実証することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
スクリーン印刷で作製した有機トランジスタにおいて課題であった歩留まりの問題を、ゲート絶縁膜の厚み制御と、印刷技術の向上によりずいぶんと抑制することが出来た。これにより、駆動電圧も当初目標の60Vを下回り、50Vでの駆動を確認することが出来た。実際に、有機光センサ、有機LEDとの集積化を行い、印刷で作製した有機トランジスタで十分に動作させられることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、有機光センサ、および有機LEDの性能向上に向けて、プロセスを進めていく。特に有機トランジスタ側においては十分な性能と歩留まりを確認したものの、印刷で作成した電極の表面が予想以上に凹凸があり、この上に作製した光センサ、有機LEDの特性は十分とはいえなかった。次年度は、この課題を解決するために、印刷電極の表面処理技術の開発に全力を挙げる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度計画していたデバイス作製は、既存設備により十分に対応できることが分かった。実際に既存設備を用いて作製してみると、初回の印刷有機トランジスタから大変良い特性を示した。このため、初年度の大きな目標であった印刷有機トランジスタの作製と性能向上の取り組みにおいて、予定していた印刷設備の購入を行わなくて良いと判断した。 次年度は、課題として見えてきた印刷電極上での有機光センサおよび有機LEDの特性向上に向けて、取り組む必要がある。そのため、光センサ評価装置、発光層評価装置の検討を新たに計画し、進める予定である。
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[Journal Article] Ultrathin, Highly Flexible, and Stretch-Compatible PLEDs2013
Author(s)
Matthew S. White, Martin Kaltenbrunner, Eric D. Głowacki, Kateryna Gutnichenko, Gerald Kettlgruber, Ingrid Graz, Safae Aazou, Christoph Ulbricht, Daniel A. M. Egbe, Matei C. Miron, Zoltan Major, Markus C. Scharber, Tsuyoshi Sekitani, Takao Someya, Siegfried Bauer, and Niyazi Serdar Sariciftci
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Journal Title
Nature Photonics
Volume: 7
Pages: 811-816
Peer Reviewed
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