2013 Fiscal Year Annual Research Report
相互相関法を用いた高感度CMOS放射線検出センサーの研究
Project/Area Number |
25630139
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 健一 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (70361772)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線センサ / SPAD / 発振器 |
Research Abstract |
本研究では、放射線を照射するとPET材が紫外発光する現象を利用し、その紫外光をCMOSセンサーで読み出す放射線センサーの研究を行う。従来は、高感度化のため時間平均をとることで精度向上を図っていたが、測定時間が長くなることが問題であった。本研究では、高周波測定装置などで用いられる相互相関法を応用し、短時間で高感度測定を実現する方法を検討した。実際にCMOS化するにあたり、標準CMOSプロセスによるSPADの高精度化、SPADのための昇圧回路、SPADの自己補正的バイアス回路について検討を行った。 SPADに必要なバイアス電圧(15V程度)は内蔵のDC-DCコンバータとLDOにより生成する。SPADは誤検出にあたるDark countが発生するが、SPAD自体の個体差とバイアス電圧との関係は製造前にはuncertainである。この問題の解決のため、バイアス電圧とDark count rateには密接に関係があるが、校正時にDark count rateを規定値に揃えるように制御ループでバイアス電圧を自己補正する回路方式を考案した。カウンタと基準電圧生成用のDACで実現可能である。また、バイアス電圧設定時に、誤検出を起こしやすいSPADをあらかじめ特定し、マスク処理を行うことで多数の検出器を並べた際に特定のSPADのみがバースト状に誤検出を起こす現象を回避することも可能である。 こららの自己補正において、チップ内においても正確な時間基準が必要であり、携帯性を考慮すると低消費電力かつ低雑音なクロック源が必要である。バラクタバイアス抵抗の最適化による方法と、スタンダードセルのみで実現可能な低消費電力な発振器方式について検討を行い、低消費電力においても低雑音化が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)