2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25630147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
福田 光男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50378262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面プラズモン / 光回路 / 光デバイス / 光変調 |
Research Abstract |
平成25年度は実験系の整備と実験用素子の設計および作製を中心に行なった。 (1)実験用素子の設計と作製:石英基板上にナノスリットを有する金の薄膜を形成し、本スリットを用いて伝播光(狭スペクトル発振線幅のレーザ光)を表面プラズモンへ変換し、金属表面に沿って表面プラズモンとして伝播できる構造を設計・製作した。さらに、表面プラズモンを伝播光に再変換して周波数変調されているか否かを計測するための溝状のスリットも金表面に作り付けた。当該金属薄膜は電流路としても用いる必要があるため、金属薄膜両端を直流または交流電源に接続できる構造とした。 (2)高感度な光ヘテロダイン検出系のセットアップ:光ヘテロダイン検波技術をベースに表面プラズモンへ展開した測定系のセットアップを行なった。光源には狭スペクトル線幅(500kHz程度以下)の波長可変光源を用いて、わずかな周波数シフトも検知できる検出系のセットアップを目指した。そのために、プローブにより検出された信号光を光ファイバ増幅器で増幅し、ファイバカプラで局発光と結合した後、光検出器で電気信号へ変換し、RFスペクトラムアナライザで信号光と局発光の差周波数にピークを持つビートスペクトルとして観察する構成とした。本系を用いて、表面プラズモンから変換した伝播光の光ヘテロダイン検波実験を開始した。 (3)表面プラズモン導波路の開発:簡便で低損失な導波路構造を開発し、上記(1)で記載の実験用素子へ導入した。本導波路についてはApplied Physics Lettersに投稿し掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画は①電気的変調構造を作りつけた表面プラズモン発生デバイスの設計と作製、②空間的に高分解能な光検出系のセットアップ、③高感度な光ヘテロダイン検出系のセットアップの3項目である。これらの項目について、研究実績の概要に述べたように、デバイスの設計と製作および測定系のセットアップが終了し、実験を開始しつつある。本実績により、達成度としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度で開発したデバイスとセットアップされた実験系により、表面プラズモンの周波数変調実験を行なう。その際、レーザの駆動電源を低雑音の電流源とするなど、レーザ光に重畳される電気的な雑音の低減を行ない、レーザ発振スペクトルの増大を防止する対策を実施する。さらに、実験に用いるデバイスの高周波特性を改善し、金属薄膜中を高周波電流が導通する構造を開発する。本デバイスと一層低雑音化された光ヘテロダイン検出系を用いて、高周波の電流信号と表面プラズモンの相互作用について実験・検討する。
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