2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25630150
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
藤田 恭久 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10314618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 俊幸 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (50335551)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸化亜鉛 / 発光ダイオード / LED / 紫外線 / p型 / ナノ粒子 / 塗布型 / 励起子 |
Outline of Annual Research Achievements |
p 型特性を示す窒素ドープ酸化亜鉛(ZnO)ナノ粒子をガラス基板上のn 型ZnO 薄膜上に塗布することにより励起子発光する近紫外線LEDについて、リーク電流、電極近傍の発光効率の低下、発熱等の課題を解決することにより塗布型LED の高性能化(実用に近い10%のエネルギー効率を目標)を目指した研究を実施した。その結果以下の成果が得られた。 ・リーク電流の原因として、p型粒子生成時のn型粒子の混入、粒子の表面電流について原因を特定した。これに対し、これまでのガス中蒸発法のアークプラズマの不安定さの欠点を改善するためにRF熱プラズマ法による窒素ドープZnOナノ粒子の作製を行い、p型特性の歩留りを改善した。また、バインダーとナノ粒子混合液の脱気とスピンコート法による薄膜化により粒子表面の露出を削減し、リーク電流を低減できた。 ・発光メカニズムの解明としては、低温フォトルミネッセンスにより束縛励起子発光等を確認し、ナノ粒子のp型特性の評価を可能とした。また、n型発光層へのホール注入を確認し、p型粒子とn型層の間にpn接合が形成されていることを確認した。p型電極近傍の発光効率の低下については、電極-p型粒子間にホール輸送層の挿入を試みたが、うまく機能する結果が得らず、今後の改題となっている。 ・発熱に関しては、LED内部の発光や光放出の詳細な様子をデバイスシミュレータATLASのモジュール「LED」を用いてシミュレーションを行うともにナノ粒子の改善と蒸着条件の改善により電極の接触抵抗を低減することにより改善できた。 以上のような取組の結果、まだp型電極の影響で発光しない粒子が多く、実用に近いエネルギー効率は得られなかったが、発光部の輝度はすでに市販品並みであることがわかり、この技術の有望性を確認できた。
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Research Products
(5 results)