2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25630152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
丹治 裕一 香川大学, 工学部, 准教授 (10306988)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シミュレーション工学 / 高密度実装 / 高速伝送回路設計 / システムオンチップ / ハイパフォーマンス・コンコンピューティング |
Research Abstract |
回路の物理設計を行うためには電磁気学的な性質を考慮した回路解析が必要となる。しかしながら、従来の数値電磁界解析手法は回路解析との親和性が乏しく、また,電磁界を回路素子で表現して回路解析を行う方法では電磁界を見ることができない欠点があった。本研究では、回路、電磁界双方の解析の自由度を最大限に活かす手法の検討を行う。電磁界解析の回路解析への親和性を高めるために、電界、磁界の解析に加えて、電磁ポテンシャルを計算する解析手法の提案を行った。 FDTD 法を用いて、電界、磁界、ベクトル/スカラポテンシャルを求める方法を検討した。まず、基本方程式として、アンペアの法則、ファラデーの法則、ローレンツゲージdivA+εμdφ/dt=0、E=―dA/dt-grad φを用いた。ここで、Aはベクトルポテンシャル、φはスカラポテンシャル、εは誘電率、μは透磁率、Eは電界である。アンペアの法則には電流密度Jが含まれており、これを新たに導入したオームの法則J=σ(-grad φ)(J:電流密度、σ:導電率)で置く。FDTD 法におけるYeeの格子に対して、ベクトルポテンシャル、スカラポテンシャルを同様に配置する。次に、時間領域において数値積分法を適用し、(電界、スカラポテンシャル)、(磁界、ベクトルポテンシャル)を時間間隔で半ステップずつずらしながら時間応答を求めた。電界、磁界の計算については新たなオームの法則を導入する以外は変更がないため、吸収境界条件には通常のPML(Perfect Matched Layer)を用いた。提案手法を評価するために、通常のオームの法則J=σE(J:電流密度、σ:導電率、E:電界)を用いた方法と提案手法の比較を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,新たに提案した数値電磁解析法を用いて散乱行列の計算法の検討を行う予定であった。しかしながら,数値電磁解析法の確認に予想よりも多くの時間が必要であったため,散乱行列については基本的な方法論の検討までで,数値例による確認までは実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実施できなかった散乱行列の計算法については,以下の考えに基づいて次年度実施する。 アンペアの法則の方程式に外部電流及び抵抗を接続して解析を行い,時間領域における散乱行列の値を計算する。得られたデータをFFTによって周波数領域に変換する。比較のため、電界を積分することによって電圧を定義して計算を行う通常の方法によっても散乱行列を計算する。提案手法と従来手法で得られた結果を周波数領域において比較する。
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Research Products
(4 results)