2013 Fiscal Year Research-status Report
電波高密度利用に資する無線信号高度分布モデルの確立
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25630158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
藤井 威生 電気通信大学, 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター, 准教授 (10327710)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コグニティブ無線 / 電波環境マップ / 無線信号分布推定 / 電波伝搬モデル |
Research Abstract |
平成25年度は本研究開発課題の1年目として、ソフトウェア無線機による無線観測装置の実装を初めに行った。本研究では、テレビ信号をなど送信パラメータの明らかな信号の高度分布を観測するために、アドバルーンに受信機を搭載し、高度を変更しながら受信信号レベルの記録を行う実験を行う。今回は、フレキシブルな観測を行うため、信号観測にソフトウェア無線機を用いた。通常、汎用のソフトウェア無線機はラップトップPCと一体で動作するが、本研究では、アドバルーンに無線機を搭載して上空の観測を行うため、軽量化が必要となる。そこで、組み込み型のソフトウェア無線機USRP E110を準備し、受信信号観測を行う機能を実装した。ここでは、GNU Radioと呼ばれるソフトウェア無線機の実装ツールにより無線信号観測機能を実装した。本機器は電池駆動とし、6Vの鉛蓄電池により単体で動作する。これに、水平面無指向性のアンテナおよび気圧高度計を持つGPSロガーを準備し、観測装置を構築した。 次に、実際にアドバルーンに観測装置を搭載し、電気通信大学内で上空の無線信号電力の観測実験を行った。高度の異なる位置での無線信号レベルの観測が可能な実験システムを構築する。本実験では、東京スカイツリーから送信された広域テレビ放送信号を受信し、その受信電力を記録した。電気通信大学内で複数個所の観測を行い、統計的な信号分布を導出し、地上から上空までの電力変化の様子を把握した。 最後に、近傍の建物の影響を考慮して、基本となる電波伝搬統計モデルの構築を行った。ここでは、近傍の建物高を考慮して、上空から地上までを線形近似する簡易モデルを構築しその性能確認を行った。結果として、近傍の建物が送信源までの間で支配的な高さの場合は線形モデルでの近似が優れているが、複数の高い建物が存在する場合、線形近似の誤差が増加することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画してた研究を完了し十分な観測結果が得られた。また、次年度に向けてデータの整理や分析も進んでいる。観測装置は先行して来年度の実施予定にも活用できるように構築できており、当初計画以上の成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるため、計画通りに研究を進める。次年度は東京以外のエリアでの実験も予定しているため、装置の構築などは前倒しで進めて着実な成果を得る計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していたソフトウェア無線機の購入が他の経費で処置できたため、計画予定少ない経費で研究を進めることができた。 平成26年度は大学外での観測実験などがあり、実験実施のため学生の旅費、謝金が多く必要となることが見込まれるため、観測データの充実に活用したい。
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