2014 Fiscal Year Annual Research Report
無線電力伝送のための非回折波生成用アンテナシステムの開発
Project/Area Number |
25630164
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤本 孝文 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40264204)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / ミリ波 / 非回折波 |
Outline of Annual Research Achievements |
提案する非回折波生成システムは、1次放射器(ミリ波アンテナ)、円環スリット付導板、薄肉誘電体レンズおよび各素子のエッジ部で生じる回り込み波(回折波)を抑圧するための電波吸収材から構成される。昨年度に引き続き,各素子の最適化設計を行った.また平成26年度ではこれらを組み合わせたシステムの設計を行い、非回折波の伝搬特性についてシミュレーションによりその特性を明らかにした。 ①アンテナの設計:平成26年度は,同軸型円錐ホーンアンテナを提案しその設計を行った.提案するアンテナは放射状に一様な電界ベクトルを持ち,円環状に電界の最大強度分布を有することを数値シミュレーションにより明らかにした。提案するアンテナは非回折波生成システムの1次放射器として最適な放射特性を有する。 ②電波吸収帯の設計:電波吸収材はエポキシ変性ウレタンゴムにカーボンブラックを混入した ゴムシートの複素比誘電率および誘電正接を用いて設計した.本年度は電波吸収帯の厚みと吸収率との関係を明らかにした。設計した電波吸収帯の厚みが5cmのとき,吸収率90%以上となる.このため,本システムでは5cm厚の電波吸収帯を使用することに決定した. ③レンズの設計:幾何光学理論に基づき薄肉誘電体レンズの設計を行い,シミュレーションによりその特性解析を行った.曲率半径と波長との関係を調査した結果,レンズの半径は少なくとも10cm以上とする必要がある.計算機のメモリーの関係上,本研究ではレンズ半径を10cmに決定した. ④システムの設計および非回折波の伝搬特性:上記設計に基づき,システムの構築を行い,非回折波の有無および特性を調査した.理論上,通常の電磁波は距離に比例して減衰する。本システムでは,通常の電磁波に比べ強い強度で伝搬することが数値シミュレーションにより確認できた。
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