2013 Fiscal Year Research-status Report
コード化環境光を用いた完全鏡面物体の3次元形状計測
Project/Area Number |
25630174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 俊太郎 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 主任研究員 (40392675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
額田 彰 東京工業大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40545688)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 3D計測 / 鏡面反射物体 |
Research Abstract |
6台の液晶ディスプレイを用いて、環境光を制御する動的照明装置を構築した。当初の計画では正方形の狭いベゼルディスプレイ6式を用いて立方体形状の計測空間を構成する予定だったが、正方形ディスプレイの入手が困難であるためアスペクト比16:9のディスプレイ4台とアスペクト比3:4のディスプレイ2台を用いて直方体形状の計測空間を構築した。各ディスプレイに独立した映像を表示し、任意の環境光下において、2台のUSB3.0カメラで画像撮影するシステム構築した。 撮影画像から環境光源の座標を取得するために、2進コードを用いて環境光をコード化する手法を開発した。本研究で用いる投影像の座標は、各液晶ディスプレイの解像度をNxNとするとき、log2(6xNxN)回の2進コードで表現できる。当初は球面座標系を利用して相互反射などの影響を最小化するコードを検討したが、6つの矩形投影像を横方向に並べた仮想平面座標をグレイコード表現する方法で十分な頑健性を実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画をほぼ実現することができた。3次元復元に関して、実験の簡略化のために、カメラの幾何校正が射影復元のみとしたため、透視投影に関する曖昧性が残っているが、この問題は校正物体を用いることで容易に解決できる。本年度は。当初の研究計画にない校正方法の簡略化にも取り組んだが、高い精度を実現するためには校正物体が必要であるとの知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は、研究計画に従って、全周計測と計算の高速化に取り組む。全周計測に関して、電子制御方式の回転テーブルを用いることを検討していたが、計測装置の構造と大きさの制限から、大規模な回転テーブルの導入は困難であることが予想される。また回転テーブルの床面からの環境光が遮蔽となり、計測可能な表面積が小さくなる懸念がある。これに対して、等速回転するより小型のテーブルの導入、テーブルを用いない物体あるいは計測系の移動に関しても検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度の主な予算使用目的は、(1)計測システム構築に必要なLCDディスプレイの調達費用、(2)ステレオカメラシステムの構築費用、(3)学会発表旅費であった。(1)に関して、当初予定していた備品が類似製品と比べて高額および入手困難であることから、既存資産を流用して試験的な装置を作ったところ十分な性能を実現できた。そこで制作に困難が予想される回転テーブルの制作費のために次年度に持ち越した。(2)ステレオカメラシステムは、別の研究プロジェクトの成果を継承することができた。研究成果は未発表であるため(3)を次年度に積み増している。 次年度は回転テーブル試作のために戻入額の大半を充てる予定である。 また次年度は、6月に1回、7月に1回、8月に2回、9月に1回の国際会議での成果発表を予定しており、総額200万円程度の旅費支出を予定している。
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