2013 Fiscal Year Research-status Report
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25630178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
申 鉄龍 上智大学, 理工学部, 教授 (70245794)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御理論 / 論理システム / 論理化制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は,動的システムの連続域に定義される状態変数を論理変数化し,離散時間論理システムとして表現することによって,論理システムの枠組みで制御系を構築することが可能となる制御手法の確立である.本年度は,連続域の変数の離散論理化モデリング手法の構築に取り組み,論理動的システムの最適化制御系設計アルゴリズムを開発し,自動車エンジンにおける応用を試みた. 具体的には,多値論理変数を導入して連続域状態を記述し,Semi-Tensor Productの代数枠組で線形モデルを構築する方法を提案し,最尤推定法をベースとする同定手法を提案した.なお,提案した手法を自動車エンジンにおける残留ガス割合の遷移モデルの論理システム化問題に適用し,実エンジンの実験をもってその有効性を検証した. つぎに,論理モデル化の際に,モデル誤差に含まれる確率的な要素を考慮した確率論理モデルへの拡張を行い,確率性を考慮した論理動的システムの最適制御問題の定式化を行い,代数的にその解を導く手法を提案した. 自動車エンジンの燃焼バラツキの確率性に着目し,確率論理システムモデルを用いて燃焼残留ガスの割合を表現し,確率期待値を所望の値に保持する確率最適制御アルゴリズムを開発し,実験検証結果を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の年度研究計画であった以下の項目がほぼ達成できた. (1) エンジン残留ガス遷移の動的論理モデル作成 (2) 論理化モデル同定手法の構築 (3) 確率性を考慮したシステムの論理化モデリング手法への拡張 (1)の具体例を手がかりに,(2)と(3)の一般化方法論への挑戦が当初想定した研究アプローチであったが,おおむね計画とおり成果が得られ,次年度の計画であった最適制御問題への挑戦もすでに始めた状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究を通じて,確率性を有するシステムに対して,提案した手法がより有効である可能性が確認できたので,今後の研究においては,当初計画していた項目の他に,確率性を考慮したモデリングと制御系設計手法の確立に重点を置いて理論開発を進め,エンジン燃焼の確率性に注目した応用例のほかに,トラフィック情況の確率性を考慮したハイブリット自動車の論理化最適制御問題にも挑戦する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験試作品として購入した消耗品の価格が変動したために残額が生じた. 上記残額については.次年度の実験試作用部品購入予算として使用する予定である.
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Research Products
(5 results)