2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25630189
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
國島 正彦 高知工科大学, 工学部, 教授 (00201468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五艘 隆志 高知工科大学, 工学部, 准教授 (60412441)
関 健太郎 高知工科大学, 工学部, 准教授 (70642370)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 公共工事システム / 入札制度 / 契約制度 / 積算資料 / 設計労務単価 / 時給・日給・月給 / 公共調達規則 |
Research Abstract |
スイス連邦建設業協会が刊行する建設工事積算基準(以下、スイス積算基準と称す)の歴史的経緯と現状及び将来展望を、建設現場における作業員の労務費に着目して調査研究した。平成25年9月および平成26年1月に、スイス連邦の地方自治体、地方中小建設会社、大学研究機関、及びスイス連邦建設業協会本部を、日本の地方自治体の公共工事関係者等と共に訪問聞き取り調査した。その結果、以下に示すことが明らかとなった。 (1)スイス積算基準は、国内8地域の作業地毎に、毎年、改訂・刊行されているが、そこで表示される単価(労務費(時給)、材料費、機械損料)が適用される建設工事は、全体(工事金額・工事件数)の2%程度と僅かで、小規模工事のみである。(2)実際の建設工事の単価は、スイス積算基準の70%程度である。(これらは、まったくの想定外のことで、驚愕した。(3)スイスの建設業協会は、毎年、作業地毎に、労働条件、及び建設現場労働者の職能別の基本賃金(最低賃金)を、月給と時給で規定し、それを、全国で遵守している。(4)スイスの建設労働者の労働条件は、1日8時間、1カ月22日(176時間)、1年間2,112時間が基本である。(5)スイスの建設現場作業員の月給(最低賃金)は、職能によって、保険、年金、税金込みで、4,500スイスフラン(約54万円;年収648万円)から6,000スイスフラン(約72万円;年収864万円)で、手取りは、その約70%である(1スイスフラン120円で換算)。(6)スイスの建設工事は、自前施工が原則である。 これらの知見を参考に、高知県の地方自治体・地方中小建設会社による公共土木工事の健全で持続可能な将来像を見据えて、高知県版;公共調達規則(試案)土木工事の一般条件(第一次原案)を、平成26年3月に起草した。
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Research Products
(5 results)