2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25630196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
幸左 賢二 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00315160)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルカリ骨材反応 / ひび割れ / 鉄筋破断 / コンクリート劣化 |
Research Abstract |
本研究ではスターラップ曲げ加工部において40%にも及ぶ多くの鉄筋が損傷するなど極めて顕著なASR劣化が確認された橋脚を検討の対象とすることにより,同一構造物内で多数の鉄筋が損傷した要因に関して検討した.その結果以下のとことが明らかになった.まず,本橋脚では隅角部の広い範囲で多くの鉄筋損傷を生じていたが,梁側面のひび割れ分布では,曲げ加工部を含む隅角部と中央部分のひび割れ密度に明確な差異はなく,側面が全体的に膨張しているような挙動を示していた.ついで,多数の鉄筋損傷が生じた要因を検討するために,損傷鉄筋の梁軸方向における配列とスターラップごとの断面方向の損傷状況に着目して分析を行った.その結果,本橋脚では,梁軸方向および断面方向の双方において,損傷鉄筋の発生分布に明確な規則性を有していなかった.特に,健全鉄筋と健全鉄筋の間で破断鉄筋が存在したことなどを勘案すると,損傷鉄筋の分布は隣接する鉄筋や周辺の応力状態に依存したというより,むしろ,橋脚全体で不規則に発生した結果と考えるれた.最後に初期亀裂の発生しやすいについて検討した結果,本橋脚で使用された鉄筋は,曲げ加工に伴う初期亀裂が現行鉄筋に比べて相対的に大きく発生する鉄筋であったことが,多数の鉄筋を損傷させた要因と考えられた.また,同一条件で曲げ加工を行った際にも,初期亀裂深さが大きくばらついたことで,最終的な鉄筋進展度に大きな差異が生じたと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大学院生4名とともに現地調査を行い,またデータ分析に有用なダータが得られ査読付き論文4編など想定以上の成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
富山県の当該橋梁より,取り出した橋脚梁断面および破断鉄筋の詳細分析により,鉄筋損傷度とコンクリート内部損傷度の関係を明らかにする.
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