2013 Fiscal Year Research-status Report
木片の混入率・腐朽性を考慮した災害津波堆積物の地盤材料としての有効利用の提案
Project/Area Number |
25630199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 正樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々山 栄人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00624842)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地盤材料学 / 締固め / 一軸圧縮強さ / 三軸試験 / 災害廃棄物 / 有効利用 |
Research Abstract |
(1)木材混合率の異なる災害津波堆積物の力学特性の把握 災害津波堆積物から木片混合率の異なる試料を作製するために,均質に混合可能なチェーン回転式破砕混合機を用いた.予備実験として,チェーンの回転数を変化させて試料を作製し,ふるい通過分量から最適な回転数として500rpmと決定した.また,災害津波堆積物の木片混合率を0.0%,2.0%,4.0%と変化させた試料を用いて,締固めにより供試体を作製し,各種力学試験を実施した.なお締固め度はA-b法による突固め試験により,90%および100%を選定した. 結果として,木片混合率が高くなるほど,強度および初期剛性は低下するものの,延性的なせん断挙動を呈した.木片混合率が等しければ,締固め度が大きい程,高い強度特性を示した.さらに,災害津波堆積物の改質効果を確認するために,コンクリートがらおよびセメントを添加した試料を用いた試験も実施した.木片を含む災害津波堆積物でも,改質材を添加することで,十分な強度増加を見込めることが確認できた. (2)木材混入率と腐朽を考慮した災害津波堆積物の力学挙動の把握 木片の腐朽過程を乾燥密度1.3g/cm3で一定として,木片混合率のみ4.0%,2.0%,0.0%と減少すると仮定し,締固め度を変化させて各種力学試験を実施した.乾燥密度をで一定という条件下では,腐朽進行とともに強度が低下し,60kPa,40kPa,35kPaとなることを確認した.また,締固めた供試体上部に木材腐朽菌を接種し,腐朽促進下での一軸圧縮試験を実施した.腐朽期間2ヶ月では強度変化が確認できなかったため,継続して実験を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
災害廃棄物に含まれる木片を腐朽させるのに時間を要したため,最終年度に予定していた木片の腐朽進行を仮定した災害津波堆積物の力学試験を前倒しで実施しているが,木片腐朽の強度への影響は現時点で継続的に調べている.それ以外については年度当初の研究計画通りに進めているため,研究全体の進展状況としてはおおむね順調と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られた災害廃棄物の力学試験結果の再現を試みる.また,木材の腐朽進行を仮定した災害津波堆積物の力学挙動を把握する.そして,木材の混入率・腐朽過程を考慮した締固め基準の提案に取り組む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規購入する載荷装置の設置を予定していた実験室の改修工事が行われ,平成25年度の設置が不可能になってしまったため,装置の購入を平成26年度に変更した. 平成26年度に装置を購入し,締固め度と強度特性の関係を調べる.さらに設計定数との関連を踏まえ,実際の設計施工への応用を検討する.
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Research Products
(4 results)