2013 Fiscal Year Research-status Report
データ同化とシミュレーションによる交通状態のリアルタイム推定
Project/Area Number |
25630214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
朝倉 康夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80144319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井料 隆雅 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10362758)
日下部 貴彦 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80604610)
福田 大輔 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (70334539)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 交通工学 |
Research Abstract |
近年,データベース技術の発展により,トラフィックカウンター(トラカン)などによる交通流の観測データを長期間に渡って蓄積することが容易になり,膨大な過去の観測データの活用が可能となっている.本研究では,過去の大量の観測データを活用した統計的な推定手法と,確率的なシミュレーション手法をベイズ統計学の理論に基づいて融合することにより,確率的な交通状態のリアルタイム予測手法を構築することを目的としている. 平成25年度は,モデル開発を行った.具体的には,「(1) 交通状態推定手法およびデータ同化に関する既往研究の整理」,「(2) 長期間に観測されたトラカンデータからの交通状態推定用データベースの作成」,「(3) データ同化による交通状態推定モデルの構築」を実施した.(1)では,ストックホルムで開催された2nd Symposium of the European Association for Research in Transportationや国内の学術会議等を聴講し,最新の研究事情を把握した.(2)のトラカンデータのデータベース作成,(3)のモデル構築も概ね順調に進んでおり,これらの成果をもとに,次年度は,解析結果の可視化,旅行時間の短期予測への適用,ボトルネック容量低下・インシデント検出への適用を通じて,本年度構築したモデルの検証及び適用性の検討を行う予定である.また,本年度の研究成果のとりまとめを行ったのち,国内外の学会(土木学会,交通工学研究会,TRB 等)での発表を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交通流理論に整合的な統計的処理を大量の観測データに適用することにより推定する手法の開発は概ね順調に進んでおり,次年度実施予定であったインシデントのボトルネック容量低下・インシデント検出への適用について,初期段階ではあるが,成果が出ている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,前年度の成果を踏まえ,「実際のデータへの適用とモデルの検証」及び「研究成果のとりまとめと発表」を行う. 「実際のデータへの適用とモデルの検証」では,平成25年度の「データ同化による交通状態推定モデルの構築」で構築したモデルを「長期間に観測されたトラカンデータからの交通状態推定用データベースの作成」で作成したデータベースを用いて実際のデータへ適用したうえで,開発したモデルの検証を行う.具体的には,朝倉・井料・日下部が過去の研究で開発してきた可視化手法を本手法のシステム上に実装し,解析結果の可視化を行う.福田は,「データ同化による交通状態推定モデルの構築」のモデルを,旅行時間の短期予測への適用を検討するとともに,分析を通じてモデルの検証を実施する.朝倉・井料は,ボトルネック容量低下・インシデント検出への適用の検討を行った上で,モデルの検証を行う.さらに「実際のデータへの適用とモデルの検証」では,上記に示したデータ同化による交通状態推定の結果で得られる交通流の状態量及びそれらを用いて算出した旅行時間について分析することで,開発した手法の検証を行う.また,「実際のデータへの適用とモデルの検証」での検討・検証の結果を踏まえて「データ同化による交通状態推定モデルの構築」で構築したモデルの改良を行う. 「研究成果のとりまとめと発表」では,研究成果のとりまとめを行ったのち,国内外の学会(土木学会,交通工学研究会,TRB 等)で発表を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は,購入予定であった書籍・コンピュータ関連消耗品については,他の研究課題で使用が終了した記憶媒体等が一時的に利用可能となり,購入を延期したためである. 平成26年度購入予定であった記憶媒体(SSD)のスペックをあげるとともに,大学院学生による数値計算の補助,および資料整理の補助にあてたい.
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Research Products
(6 results)