2015 Fiscal Year Annual Research Report
金粒子を用いた新規微生物検出法の開発:nanoSIMSを用いた微生物代謝機能解明
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25630221
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80455807)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 微生物 / Ag沈着 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物機能を解明するために、NanoSIMSを用いたシングルセルレベルでの微生物代謝機能解明を行うための微生物の系統学的同定法として、金 (Au) を用いた高感度検出系の開発を行ってきたが、うまく増感させることができなかった。そこでHRPの触媒反応を利用して銀イオンを還元し銀を沈着させる方法による銀標識を試みた。この反応はHRP Detection kit for IHC/ISH, Enzmet (Nanoprobes) (以下Enzmet)というキットを用いて行い、HRP周辺にのみ特異的に銀イオン(可溶)を銀粒子(不溶)として沈着させ、検出する方法である。そのため、in situ hybridization法によりHRPを特異的に標的微生物に交雑させたあと、Enzmetを用いることで、高感度検出が可能となると考えられる。銀も金と同様に凝集すると顕微鏡の明視野観察にて黒い点となって確認できるためNanoSIMS解析を行う前に顕微鏡による沈着の確認を行った。EUB338-HRP及びARC915-HRPを用いてそれぞれEscherichia coli、Methanococcus vannieliiを標的とするISH法を行い、Enzmetによる銀沈着を試みたところ、顕微鏡観察の結果、標的特異的な銀の沈着が確認出来た。顕微鏡でも十分に確認出来るほどの沈着が確認できたため、NanoSIMS解析での高感度化が期待出来る。一方で、HRP標識プローブを細胞内に浸透させなければならないという課題は残存することとなった。今後は、細胞透過性の高い分子を用いた高感度系の開発が不可欠である。
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Research Products
(1 results)