2014 Fiscal Year Research-status Report
各部位の温冷感覚の感度関数および心理的構えを考慮した部位温冷感の統合モデルの導出
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25630241
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
宮本 征一 摂南大学, 理工学部, 教授 (80273316)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 温覚 / 冷覚 / 感受性 / 知覚 / 不快感 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度測定した実験データを基に分析を行い、日本建築学会大会では「背部および腰部における温覚申告による局所温感受性の測定法に関する実験的研究」として、温感受性が皮膚温や皮膚熱流束などの生理量と比較して再現性が乏しいことを明らかにした。そして、その対策として、1℃以内の精度で温感受性の閾値を把握するために必要な測定回数を、温感受性の感度毎に示した。人間-生活環境系シンポジウムでは「背部および腰部における温・冷刺激面積の違いによる温・冷感受性の差異に関する研究」として、局所温冷刺激を与える面積が10mm角である場合と25mm角である場合のデータを比較することにより、刺激面積が広いほど温感受性または冷感受性の閾値が小さな値となり、測定誤差も小さくなることを示した。 本年度は、各部位の温冷感覚の感度関数を導出することを目的に、青年男性10名を被験者の頭部(額、頬、頸の後)、体幹部(胸上、胸下、腹、背上、背下、腰、臀)、腕部(上腕前、上腕後、前腕前、前腕後、掌、手背)、脚部(大腿前、大腿後、下腿前、下腿後、足背、踵、土踏まず)の23部位において、温度変化速度0.1m/s、0.3m/s、0.5m/sの3段階で、温覚と冷覚の感受性を測定した。体幹部は曝露温度28℃のみでの測定としたが、末梢部においては、曝露温度28℃、23℃、18℃、13℃、8℃で測定した。今年度からは、温冷刺激を知覚し始めた温度のみならず、温冷刺激による不快を感じ許容できない温度を測定項目に加えた。 上記の実験データを基に、温冷感受性の部位間の差異や曝露温度の影響を明らかにし、各部位の温冷感覚の感度関数の導出を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
青年男性を被験者として、各部位の温冷感受性を測定することができた。しかし、被験者実験の日数が想定していた日数以上必要であったため、若干遅れている。そのため、女性被験者の各部位の温冷感覚の感度を測定しつつ、不均一放射環境下における各部位の生理心理反応を把握するための実験を行うことにより、予定していたスケジュールで研究を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者の温冷刺激に対する感受性のバラツキは想像以上であったため、この個人差や個人内の再現性の乏しさがについて、その原因を明確にする必要があると考えている。そのため、不均一放射環境下における各部位の生理心理反応を把握するための実験においては、その視点から考察できるような実験手法を模索する必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
被験者実験の日数が想定していた日数以上必要であったため、実験に必要な消耗品および被験者謝金の使用額が少なくなったため、次年度への繰り越しが発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者実験の若干の遅れは、女性被験者の各部位の温冷感覚の感度を測定しつつ、不均一放射環境下における各部位の生理心理反応を把握するための実験を行うことにより、予定していたスケジュールで研究を行い、当初の計画通り、使用する予定である。
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