2015 Fiscal Year Annual Research Report
建物外皮の熱放射特性および日射の反射指向特性の制御による融雪法の提案
Project/Area Number |
25630242
|
Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
堤 拓哉 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (40462345)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月館 司 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, その他 (10462326)
阿部 佑平 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (70614147)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 建物外皮 / 熱放射特性 / 反射指向特性 / 融雪 |
Outline of Annual Research Achievements |
落雪事故の原因となる恐れのある高層建築物の外装部材など雪処理の困難な部位に堆積した積雪を建物外皮の熱放射特性および日射の反射指向特性を利用し融雪する新たな手法を提案した。 1)文献調査による基礎データの整理:塗料の波長別反射特性など数値解析等に必要なデータを整理した。 2)建物外皮の放射特性の測定:サーモカメラを用いて、外皮表面仕上が異なる試験体を対象に表面温度の推移をインターバル計測し、気象条件と外皮放射特性に関するデータを整理した。 3)外装部材の融雪に関するモデル実験:屋外でのモデル実験により、壁面の日射反射率の違いが外装部材(庇)の融雪に及ぼす影響を検討し、8ケースのデータを取得すると共に、熱放射および反射特性を利用した融雪法の有効性を確認した。降雪量20cm以上の条件で日射反射率の影響が顕著に見られ、庇の上に堆積した積雪の融雪時間の差は最大で50時間以上あった。 4)熱放射特性を利用した融雪法の検討:建物外装を対象とした放射解析を行い、融雪の促進に有効な仕様を検討した。放射解析の結果、庇裏面の日射吸収率は大きい方が良く、積雪が少ないときの日射の吸収を考慮すると、庇表面の日射吸収率は大きい方が良いことが分かった。また、庇裏面の日射吸収率が大きいときは壁面の日射吸収率が小さい(反射率が大きい)ほど、融雪能力が大きくなり、長波長放射による伝熱は、対流放熱による熱損失が発生するため、反射日射による伝熱方式に比べ劣ることが分かった。
|