2014 Fiscal Year Research-status Report
デジタルアースを用いた都市リスク変遷の視覚化と災害対応建築空間アーカイブズの構築
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25630245
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村尾 修 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70292753)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デジタルアース / 建築ボキャブラリー / 都市リスクリスク / デジタルアーカイブス / 都市デザイン / 災害対応空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(1)都市の危険性の変遷過程を分析・視覚化するとともに、(2)国内外の土着的な集落および都市空間を「災害対応」という新たな枠組みで再整理したうえで、今後の災害環境に対応するよう都市・建築空間デザインコードを用いて体系化し、(3)インターネットのデジタルアース空間を通じて、その事例を世界中に配信することを目的としている。 平成27年度は、各種参考資料により主に茨城県、香川県、高知県、沖縄県における伝統的集落、街並、都市空間、建築空間、その他災害復興と防災に関する空間について調査を行った。また、ガイドライン作成を考慮しながら、これまでに得られた空間事例を分類・整理し、2015年3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議期間中に「建築・空間・災害」と「世界における災害と被害軽減のための都市・建築空間」の二つの展示企画を実施した。さらに、東日本大震災被災地における復興状況のデータを継続的に収集した。 都市の危険性評価については、過去の地震による建物被害データが十分に得られない都市における建物倒壊危険性をどのように評価するのかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内における対象空間の事例を精力的に収集し、継続的に整理している。また平成26年度は3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議パブリック・フォーラムにおいて「世界における災害と被害軽減のための都市・建築空間」に関する展示を行った。また、同会議サイドイベントの一環として「建築・空間・災害」をテーマにこれまでに収集整理し、まとめた研究成果を防災関係者のみならず一般の方まで広く周知することが出来た。これにより交付申請時の研究計画通り調査を円滑に遂行することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成27年度は、26年度に行った対応空間の分類をもとにデータベースを構築する。 次にそれぞれの空間が実質的な災害管理手法として利用できるよう、Disaster Life Cycleの各フェイズ(被害抑止Mitigation、被害軽減のための事前準備 Preparedness、緊急対応 Response、復旧・復興 Recovery)に対応させ、分類整理する。その後、過去2年の調査で得られた災害対応の空間事例をGoogle Earth上に掲載し、世界中で閲覧できるよう加工する。最後に、収集した事例に基づき、21世紀の都市災害を考慮した都市・建築空間設計のガイドライン(個々の空間の手引書)を作成する。また体系化された系譜に基づき、災害種別ごとにどのような空間があり得るのか、などを普遍的に示した世界共通言語としての空間コードを開発し、インターネットにより情報発信する。 3年間の研究を総括し、成果を印刷物としてまとめるとともに積極的に国際会議、論文等で広く発表していく。
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Causes of Carryover |
平成26年度は年度末に第3回国連防災世界会議があり、パブリック・フォーラムにおいて当該研究の成果を展示するための消耗品等の購入が3月に集中し、請求書の支払いが4月になったことや現地調査が年度末となり精算が次年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに平成26年度の交付請求額全額を使用している。
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