2014 Fiscal Year Annual Research Report
高圧高温環境を利用した新規な透明強磁性強弾性体フッ化物の創製と新物性開拓
Project/Area Number |
25630263
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 正 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20218457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草場 啓治 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60186385) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機能性金属フッ化物 / 高圧合成 / 3d遷移金属二フッ化物 / 磁性体フッ化物 / 新物性開拓 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属フッ化物はレンズ材料などとして世の中で使用されている機能性材料の1つである.本研究では,新規機能性材料開発を目標にて固溶体の合成を試みた.フッ化物は大気圧下で加熱すると,大気中の水分などと反応し分解してしまう場合が多いが,高圧下にすることにより大気を遮断した密閉系を得ることができ,フッ化物固溶体合成に有用となる.フッ化物および酸化物を出発試料として,所定の混合比で混合した粉末を合成に用いた.高圧高温発生装置としてマルチアンビル装置を使用し,固溶体の合成を行った.合成した試料はX線回折測定により,相同定および格子定数の算出を行った.また,SQUIDを用いた磁化測定装置を使用して,試料の磁気的性質を調べた.前年度明らかにした単相合成条件を参考にして条件を広げて合成を試みた結果,MgF2-MnF2系の単相で合成できる組成範囲を広げることに成功した.3d遷移金属二フッ化物の多くはルチル型構造もしくは歪んだルチル型構造を有している.似た結晶構造をもつ物質は固溶体を形成しやすいと予想され,本研究の結果は予想通りとなった.格子体積は,前年度で明らかにした結果と同様にVegard則に従って直線的に変化した.また,合成圧力を増すと,前年度の結果と同様に,ルチル型構造(Mg1-xMnx)F2が単相で得られるxの範囲が狭まることがわかった.さらに,オキシフッ化物固溶体の合成を目指して,TiO2-MnF2系の固溶体の高圧合成を試みた.その結果,(Ti1-xMnx)(O1-xFx)2の合成に成功した.また,合成時の圧力,温度を上げることでTiO2に多くのMnF2を固溶できることがわかった.加えて,3d遷移金属化合物の磁性は多様であり,上記の成果を踏まえて,関連する3d遷移金属化合物として,同様に高圧合成が有利な3d遷移金属硫化物やペロブスカイト関連酸化物の新物質の高圧合成にも展開した結果,同様に単相固溶体の合成に成功し物性を明らかにした.
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Research Products
(15 results)