2015 Fiscal Year Annual Research Report
Mn基強磁性体の強磁場中過冷却凝固過程の解明と磁石材料開発
Project/Area Number |
25630268
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小山 佳一 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (70302205)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金属物性 / 構造機能性材料 / 磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者が研究全般に責任を持って遂行するとともに、教育的効果を考慮し研究代表者の指導のもと、大学院生1名と学部学生1名で下記の実験を行った。 (1)H26年度試作装置を改良し、強磁場中で過冷却状態(液体)に外部から刺激を与え、凝固する過程を超小型CCDカメラでその場観測する装置を開発した。この装置を用いて、酢酸ナトリウム三水和物の強磁場中過冷却状態に刺激を与え、凝固する過程のその場観測し動画撮影に成功した。 (2)H26年度に強磁性Mn-Bi の合成分解過程の直接観察に成功した、高温強磁場中熱分析その場観測装置に、(1)の開発成果を基に外部刺激装置の組み込みを検討した。 (3)Mn(3N, 75μm)、Bi(4N, 150μm)の粉末原料を目的の組成で秤量し、圧粉体を作成し、板状バルク試料に整形した。試料合成は、ゼロ磁場中及び10 T磁場中において、(2)で開発した高温強磁場中熱分析その場観測装置を用いて、Mn-Biの磁場中合成過程を動画撮影しながら行った。試料合成はBiの融点より低い温度で行った(固相焼結)。その場観察を行った試料評価は、板状バルク試料についてX線回折測定(Cu-Kα線)、SEM/EDX、EPMA分析で行った。 (4)固相焼結において、試料表面に液相の出現を確認した。10T強磁場中においては試料表面の形状変化も確認できた。SEM/EDX、EPMA分析により、磁場によって、Mn粉体とBi粉体から強磁性体MnBiへの化学反応が促進することを、微視的に初めて確認できた。固相焼結の試料組織は、液相焼結の組織とは異なるが、液相焼結と同様に磁場による強磁性体合成が促進されることを確認できた。つまり、磁場は拡散よりも磁気エネルギーが安定化するように強磁性体を合成する化学反応を促進する効果を持つことが、本研究により明らかになった。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Magnetic Field-Induced L10-Ferromagnetic MnAl2016
Author(s)
R. Kobayashi, Y. Mitsui, R. Y. Umetsu, K. Takahashi, M. Mizuguchi, K. Koyama
Organizer
The 4th International Conference of Asian Union of Magnetics Societies
Place of Presentation
Tainan, Taiwan
Year and Date
2016-08-01 – 2016-08-05
Int'l Joint Research
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