2014 Fiscal Year Annual Research Report
マクロテトラヘドラルクラスター骨格を利用した新奇なリチウムイオン伝導体
Project/Area Number |
25630271
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝沢 博胤 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90226960)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 固体電解質 / 高圧合成 / 共有結合性結晶 / リチウムイオン伝導体 / チャンネル構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高圧合成法およびマイクロ波合成法によりマクロテトラへドラルクラスター骨格を有した新奇リチウムイオン伝導体の合成を行った。 最終年度は、固体結晶母格子中で高いLiイオン伝導性を実現するために、剛直な共有結合骨格からなる3次元チャンネル構造内の空隙に、可動性リチウムイオンを配置した固体構造を探索し、マイクロ波反応場を用いたLi-Sn-O系新規Liイオン伝導体を発見した。仕込み組成比Li/Sn=4/3~1/1、1300 ℃、10 minの条件で新規化合物Li4xSn4-xO8の合成に成功し、その結晶構造がラムスデライト構造を有することを明らかにした。マイクロ波焼結によって得られた焼結体のイオン伝導度は室温で3.75×10-7 S/cm、300 ℃で2.00×10-3 S/cmとなり、活性化エネルギーは48.2 kJ/molとなった。Li占有率と配位環境の相関から、高イオン伝導度が期待できる組成設計指針を提起することができた。 本研究では、新奇なリチウムイオン伝導体の合成において、高圧合成法により新規相Li2B2S5を、およびマイクロ波合成法を用いて新規相Li4xSn4-xO8の合成に成功した。Li2B2S5は単斜晶系の骨格構造がBS4面体の連結によって構成されており、一次元のチャンネル内にLiイオンが配置していることが明らかとなった。また、Li4xSn4-xO8はラムスデライト構造を有し、一次元のチャンネル内にLiイオンが配置していた。以上より、新奇リチウムイオン伝導体の合成に成功し、高Liイオン伝導性の発現に資する骨格構造の設計指針を得ることができた。
|
Research Products
(2 results)