2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミリサイズ高分子球の最密充填構造をテンプレートに用いた焦電センサアレイの作製
Project/Area Number |
25630278
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
脇谷 尚樹 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40251623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久男 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70154573)
坂元 尚紀 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (80451996)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セラミックプロセッシング / ミリサイズ / 球殻状セラミックス厚膜 / 焦電性 / アレイ / スリップキャスティング |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究目的である、直径が数ミリメートルオーダーの球殻状セラミックス薄膜を作製するために昨年度に開発したスリップキャスティング-スピンコーティング法(スピンコーターのステージ上に乗せた石膏型に調製したスラリーを注入した後、これを回転させることにより、PZT粉末の沈降を抑制して底部と側部の膜厚が均一になるようにした方法)により、実際に直径が6~12mmのミリサイズの球殻状のPZT厚膜を作製した。 今年度はこのように作製した1個の球殻構造セラミックスを温めたシリコンオイル中で直流電界を印加して分極処理を施した後、自作の焦電特性測定装置に接続し、実際に焦電特性を発現することを確認するとともに、焦電センサーとして機能することを明らかにした。さらに、同様に作製した6個の球殻状セラミックス厚膜を2次元のアレイ状に並べ、モーションセンサーのプロトタイプも作製した。今回は焦電特性測定装置は1セットしか作製できなかったため、アレイ型の球殻状セラミックス厚膜の焦電特性の測定は調べることができなかった。しかし、アレイ型の球殻状セラミックス厚膜とシングルエレメント型の球殻状セラミックスとの特性の違いは圧電特性により評価した。具体的には、ファンクションジェネレーターを用いて水中で発振させた超音波をハイドロフォンで受信することによって行った。1個の球殻状セラミックスを用いたシングルエレメント型のトランスデューサーでは発生した超音波は焦点位置に明確な収束を示したのに対して、アレイ型のトランスデューサーでは明確な焦点は観測されず、逆に比較的長距離に渡ってほぼ均一の音場が観測された。このことから、ミリサイズの球殻状セラミックスは焦電体のみならず、圧電体としても新しいデバイス応用の可能性を有していることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)