2015 Fiscal Year Annual Research Report
超親水性ケイ酸アルミニウムナノチューブを用いたポリマー系複合材料の生体機能高度化
Project/Area Number |
25630282
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30233729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 亜希子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40402656)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ケイ酸アルミニウム / ナノチューブ / イモゴライト / 炭酸カルシウム / バイオマテリアル / 綿状構造体 / 細胞親和性 / 親水性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、『ケイ素含有炭酸カルシウム(SiCC)/P(3HB-co-4HB)複合材料を繊維化し、これを骨格とする綿状構造体としたもの』を基材とし、さらに『その繊維表面に親水性のケイ酸アルミニウムナノチューブ(イモゴライト)を被覆』して、機能を高度化させるものである。昨年度までに、電界紡糸法で平均約15 µmの繊維径の複合体を作製し、これへのイモゴライト被覆に成功した。 本年度は、タンパク吸着試験、およびマウスおよびヒト骨芽細胞様細胞を用いたイモゴライト被覆型綿状構造体への初期接着性・増殖性について観察した。 Lysozymeの吸着量を調べたところ、12 hでコーティング物に有意差が出た。その後、コーティングしていないものも24 hまでに吸着量が大きく増加した。 細胞接着性については、無血清培地中では有意差は見られなかったのに対し、血清含有培地中ではイモゴライトコーティング物で有意に高い値を示した。また、培地浸漬7 d後のATR-FTIRスペクトルでは、アミド結合に由来するピークが強く現れた。このことから、多くのタンパク質の存在が示唆された。イモゴライトが細胞接着性のタンパク質を吸着したことで接着性が向上したと考えられた。両試料とも培養期間に伴い細胞数が増加し、コーティングの有無による細胞増殖率への影響は見られなかった。 一方、キャスト膜試料上にて増殖性評価を行った際には、コーティング無よりも有意に高い細胞数及び増殖率が確認された。ナノレベルでの表面粗さ、及び材料表面の親水性が細胞増殖性に寄与することが報告されているが、キャストフィルム状ではその効果が顕著に現れたものの、綿状構造体では接着面できる表面が様々な形態であり、また3次元的な気孔構造を有することなど、多くの因子の影響によって細胞増殖性の向上に有意差が出なかったと考えられた。
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Research Products
(12 results)