2013 Fiscal Year Research-status Report
p/n制御が可能な酸化物系I-III-VI2化合物半導体の物質・機能開拓
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25630283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小俣 孝久 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80267640)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 半導体物性 / 光物性 / ナノ材料 / 先端機能材料 |
Research Abstract |
(A) ウルツ鉱型β-CuGaO2の合成方法:以下の方法へと合成方法を最適化した。Na2CO3とGa2O3の固相反応により、前駆体となるβ-NaGaO2を作製する。前駆体とCuClを等モル混合し真空中で熱処理後、粉末を水洗しNaClを除去し、ウルツ鉱型β-CuGaO2を得る。ICP発光分析によれば、生成物の組成はGa:Cu:Na=1:1.007:0.002であり、前駆体中のNaイオンのほぼすべてがCuへとイオン交換される。 (B)結晶構造・電気的・光学的性質:放射光硬X線を使用し、Rietveld法によりβ-CuGaO2の結晶構造を解析した。結晶構造はウルツ鉱型超構造のβ-NaFeO2型構造であり、ウルツ鉱型ZnOと格子定数、原子座標が近く、ZnOを基板としたエピタキシャル成長に適していることが明らかとなった。拡散反射スペクトルからバンドギャップは1.47eVであること、焼結体で評価した伝導度は1×10-6Scm-1、ゼーベック係数の符号は正でp型半導体であることなどを明らかにした。 (C)p/nドーピング:Gaの一部をBe,Mg,Caで置換することでp型ドーピングを、Si,Ge,Tiで置換することでn型ドーピングを検討している。BeおよびSi,TiでGaとの置換に成功している。しかし電気伝導度が大きく増大するには至っておらず、キャリアの活性化プロセスを検討中である。 (D)エネルギーバンド計算:sX-LDA、GGAを使用して、Rietveld解析により得られた結晶構造を出発としβ-CuGaO2の構造緩和とエネルギーバンド計算を行った。いずれの汎関数でも、β-CuGaO2が直接遷移型半導体であること、価電子帯の上部はCu 3d軌道の寄与が大きく状態密度が大きいため、バンド端近傍での大きな光吸収係数が期待できることなどが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年に実施を計画していた項目が予定通り進んでいる。H26年度に実施を計画していたバンド計算については前倒しして実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は計画通りに進行したので、このままのペースで研究を継続する。混晶化と混晶半導体に関する研究は、組成系を広げずにCu系化合物に集中して行う予定としている。
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Research Products
(8 results)