2014 Fiscal Year Annual Research Report
優先酸化を利用した極小結晶相電流パス自己形成による相変化メモリのデータ書換高速化
Project/Area Number |
25630289
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 祐司 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80375196)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 相変化材料 / アモルファス / 結晶化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、相変化材料層の優先酸化が結晶化挙動に及ぼす材料学的因子を解明すると共に、相変化メモリ高速書換え化の新手法を確立することを目的とし、以下の知見を得た。 (1) GeTeの結晶化温度に及ぼすSi濃度の影響: GeTeへのSi添加により結晶化温度Txが上昇する。X線回折の結果、10at.%Si程度までGeTeに固溶する事が分かった。更に、Si濃度が高くなるほどTxの上昇が大きくなる事が分かった。XPS分析の結果、低Si濃度ではSi-Te結合が、高Si濃度ではそれに加えてSi-Si結合が形成されTx上昇に寄与する事が示唆された。 (2) 結晶化速度に及ぼすSi濃度および表面酸化の影響: レーザー照射によるnsオーダーの加熱実験により、結晶化速度を評価した。その結果、結晶化速度はSi濃度の増加に伴い遅延する。これは、Si濃度増加に伴うTxの上昇に起因する。一方、酸素プラズマ表面処理を用いたSi表面優先酸化を行うことにより、同じ結晶化温度Txを有する試料よりも結晶化開始時間が速くなる(70%程度の短縮化可能)ことが分かった。 (3) 相変化メモリへの適用検討: 本手法を縦型メモリセルへ適用する事を考えた場合、電極上に酸化膜を形成した後、その上にGeTe-Si相変化層を形成し、その後の熱処理により下層の酸化膜とSiを反応させ、優先Si酸化物層を形成する手法が考えられる。それ故、適切な酸化物層を選択する必要がある。酸化物形成エネルギーの観点から、本研究ではMn酸化物を選択した。その結果、GeTe-Si/Mn酸化物積層薄膜において、熱処理を施す事により界面にSi酸化物が形成されることが分かった。これにより、本提案の不均一核生成による結晶化速度の高速化を縦型メモリセルにも適用できることが分かった。
|