2013 Fiscal Year Research-status Report
分解・リサイクル可能な炭素繊維強化プラスチックの開発
Project/Area Number |
25630292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
橋本 保 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00198681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高分子合成 / 高分子材料 / リサイクル / 分解 / 炭素繊維 / 繊維強化プラスチック / 複合材料 / アセタール |
Research Abstract |
リサイクルが困難な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に,化学分解可能な結合を導入して,使用後は特定の処理条件下で分解して使用された炭素繊維と樹脂の原料であるフェノール類を再生,回収できる新型の炭素繊維複合材料を開発することが本研究の目的である。 エポキシ樹脂の最も一般的な原料フェノールである,ビスフェノール-Aとp-クレゾールノボラックに,エポキシ基を有するビニルエーテルをテトラヒドロフラン中,0℃で,6時間反応させ,アセタール結合を含むエポキシ樹脂を合成した。こうして得られたアセタール結合を含むエポキシ樹脂を用いて,通常のエポキシ樹脂硬化方法により硬化反応を熱分析により検討し,最適な硬化反応条件を見出した。さらに,協力機関である福井県工業技術センターの協力を得て,通常のCFRP製造方法によりCFRP板を作製した。一般的にCFRPの製造に使われているジシアンジアミド(DICY)とジクロロフェニルジメチルウレア(DCMU)を硬化剤と硬化促進剤にそれぞれ用い,樹脂を炭素繊維に含浸させプリプレグシート(複合材料製造用の中間素材)を作成し,積層して積層板とし,それを熱硬化させCFRP板を作成した。 得られた分解性アセタール結合を含むCFRP板の力学的性質と熱的性質などの基本物性を測定し,従来のCFRPと同様な性能を有していることを明らかにした。さらに,CFRP板に塩酸を作用させ,アセタール結合の加水分解に基づくCFRP板の分解と,炭素繊維と樹脂原料のフェノール類の再生と回収を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた下記①~③を実施できた。さらに平成26年度に計画していた下記④~⑤について検討を開始し,予備的な知見を得た。 ①分解性アセタール結合を有するエポキシ樹脂の合成をスケールアップする。 ②分解性アセタール結合有するエポキシ樹脂の硬化反応を検討し,硬化反応条件を最適化する。 ③分解性アセタール結合有するCFRP板を作製する。 ④作製したCFRP板の物性,性能を評価する。 ⑤作製したCFRP板の化学分解を検討する。炭素繊維と樹脂原料のフェノール類を再生,回収する。回収炭素繊維の強度と表面状態を調べる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は下記④~⑦を実施し,研究を推進する。 ④作製したCFRP板の物性,性能を評価する。 ⑤作製したCFRP板の化学分解を検討する。炭素繊維と樹脂原料のフェノール類を再生,回収する。回収炭素繊維の強度と表面状態を調べる。回収フェノール類の回収率と純度を測定する。 ⑥分解して再生された炭素繊維を用いて再びCFRP板を作製し,評価する。 ⑦分解性エポキシ樹脂を用いてCFRP試作品を作製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ予定通りに執行したが,わずかな残額が生じた。 物品費として消耗品を購入する。
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