2014 Fiscal Year Research-status Report
ネットワークポリマーアロイ中でのバイオインスパイアードナノフィラー形成と複合化
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25630296
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
岸 肇 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60347523)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノフィラー / 複合高分子 / エポキシ / ポリマーアロイ / 相構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ナノサイズの相構造を有するエポキシポリマーアロイをテンプレートとしたin-situナノフィラー合成およびその複合材の機能発現である。エポキシ樹脂に有機酸金属塩を添加して樹脂中で還元反応を生じさせることにより金属粒子をin-situ合成することを想定し、金属原料探索や反応条件検討を行った。H25年度検討にて着手したベヘン酸銀をトリエチルアミンにて還元する手法は、トリエチルアミンがエポキシ樹脂のアニオン重合触媒として働くため、幅広いエポキシ硬化系への適用が制限される。そこで、硬化系によらない(汎用性の高い)in-situナノフィラー合成に適した樹脂組成を探索した。 その結果、硝酸銀を銀粒子原料とすることにより、意図的な還元剤を添加することなくビスフェノールA型エポキシ樹脂中で銀粒子が生成することを見出した。ビスフェノールA型エポキシ樹脂に存在する2級水酸基が還元剤として働いた可能性が考えられる。生成した銀粒子サイズは100nm以下の1次粒子が集合して1μm程度の大きさにまで凝集したものであった。 しかしながら、硝酸銀を銀原料として添加した場合、ナノ相構造形成に必要なアクリル系ブロック共重合体(BCP)がエポキシ樹脂から析出してしまい、マクロ分離する副作用があることがわかった。そこでナノ相構造形成BCPブレンドエポキシ樹脂中で安定して銀粒子をin-situ合成しうる銀原料を引き続き探索した結果、炭酸銀が有望であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
銀塩の還元によりエポキシ樹脂中で銀粒子のin-situ合成が可能であることを証明し、エポキシ樹脂中に予め溶解したブロック共重合体の析出を防ぎつつ銀粒子を合成する具体的手法を見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
エポキシ/ブロック共重合体ポリマーアロイ中での銀粒子in-situ合成を行い、粒子サイズを数十ナノメートルレベルにまで微細化させる。さらに銀粒子の存在場所を片方の成分からなる連続相に選択配置させる。
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Causes of Carryover |
物品購入量が予想より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度予算と合わせて物品購入費に充てる。
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