2014 Fiscal Year Research-status Report
多価イオン性に着眼した電気二重層キャパシタ用イオン液体の合成とその機能
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25630311
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 貴哉 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, その他 (30399258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イオン液体 / 電気二重層キャパシタ / 多価アンモニウム塩 / エネルギー材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor: EDLC)は高出力と百万サイクル以上の充放電耐久性を特徴とするエネルギー貯蔵デバイスである。申請者らは、EDLCの電解質としてイオン液体を用いることでその性能向上を達成した。本研究では、一分子内に複数のイオン基を有する多価イオン型イオン液体とカチオンとアニオンの両方を一分子内に有するベタイン型イオン液体の世界で初めての合成を目標として、(1)合成経路の確立、(2)イオン液体物理化学特性解明、(3)EDLC電解質としての特性評価を行う。
今までに一分子内に4,3,2個の四級アンモニウム基を有する多価アンモニウム塩、6種類の合成経路を確立した。合成したすべてのアンモニウム塩の物理化学特性を評価したがイオン液体になる物質は見出すことが出来なかった。これらの塩を電気二重層キャパシタの電解質塩として用いた電気二重層キャパシタを試作し、そのキャパシタ特性を評価している。分子内の複数個の四級アミノ基は、価数から予測されるように1価の塩と比較して、同一濃度では高い容量を発現することが明らかとなった。詳細なキャパシタ特性を評価していく。
一方、イオン液体が潤滑剤として働き、対向面摺動の摩擦係数を下げる効果があることが判った。イオン液体に合成した多価カチオン型の塩を添加した場合の効果についても、調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多価アンモニウム塩型の電解質の合成経路を確立し、それらのキャパシタ性能について評価している。間もなく評価が終了する予定。
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Strategy for Future Research Activity |
多価カチオン型は室温で液体の塩にはならなかった。今年度はベタイン型のアンモニウム塩合成経路の確立と合成、それを用いた電気二重層キャパシタ特性の評価を実施する予定。
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Causes of Carryover |
予想より消耗品使用額が少なかったので、次年度に回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会での研究発表旅費に使用する。キャパシタ試作を実施するので、その費用として使用する。
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