2015 Fiscal Year Annual Research Report
3D細胞電気刺激培養のための導電性多孔質セラミクス電極の開発
Project/Area Number |
25630312
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉田 英弘 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主幹研究員 (80313021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 久景 広島大学, サステナブル・デベロップメント実践研究センター, 特任講師 (60552429)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | セラミックス / 生体材料 / 生物・生体工学 / 微細組織 / 細胞電気刺激培養 / 電気伝導率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでに培った技術を駆使し、SnO2およびZnOをマトリックスとした電気伝導性酸化物多孔体を製造した。特にSnO2については、焼結性が乏しく液相焼結でなければ緻密な多結晶体を得ることは不可能とされてきた。が、本研究では通電加圧焼結技術によって緻密且つ微細結晶粒からなる焼結体を得ることに成功した。本成果については論文投稿準備中である。そこで、これらに適切な種類および量のドーピング(微量の機能賦活元素)を施すことにより、電気伝導性を無添加剤と比べて最大で約300倍向上させることが可能であった。これは室温でも十分な電子伝導を得られる特性であった。さらに、これら材料について、発泡法や燃焼法など幾つかの手法によりスラリーから多孔体を製造することにも成功した。多孔体の孔径は、細胞培養という用途から、数百ミクロンという要請があるが、本手法により径をコントロールすることができる。こうして得られたバルク体について、共同研究者により細胞培養および電気刺激実験を実施した。その結果、ごく短時間の電気刺激により、細胞生成化学物質の分泌を示唆するデータを得た。このことから、当初の目的であった、3D電気刺激細胞培養の基礎的研究に資するための基板の作製に目途が立ったと言える。今後、これを利用した医療・バイオ技術の発展のためには、さらに基礎データを積み重ね、当該目的に適した電気伝導率や構造の探索、細胞への刺激の最適化、また細胞の観察・分析手段を確立するとともに、3D電気刺激細胞培養の基盤的研究を進めるべきであると考えられる。
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