2015 Fiscal Year Annual Research Report
有機単分子膜をナノ保護膜として活用した銀薄膜の環境耐性
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25630314
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 みどり 北見工業大学, 工学部, 教授 (70261401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 良夫 北見工業大学, 工学部, 教授 (20261399)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 銀薄膜 / 有機単分子膜 / 電気抵抗率 / 環境試験 / 表面粗さ / フレキシブル基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
真空蒸着法により銀薄膜をガラス基板上に成膜し、有機単分子膜は、溶液法によって成膜した。従来通りの条件(温度40℃、相対湿度90%)の恒温恒湿器内に試料を保持し、環境耐性を調査した。銀薄膜の表面層としての1ードデカンチオール、1-オクタデカンチオールの有効性を確認していたので、分子鎖の短い物質についても調査した。その結果、1-プロパンチオールを用いた場合は、環境耐性が十分に得られないことを確認した。この理由としては、成膜直後の水接触角が、他の分子を用いた場合よりも低かったことから、1ードデカンチオールらに比べて撥水性が低い事が主原因と考えられる。一方、1ードデカンチオール、1-オクタデカンチオールの両者の分子鎖長の違いによる優劣の比較も行ったが、調査した期間内では、差は認められなかった。 次に、フレキシブル基板として、耐熱性・耐薬品性に優れたポリエチレンナフタレート(PEN)への応用を目指して検討を実施した。基板には、片面平滑化処理が施されているPEN基板を使用した。ガラス基板を用いていた場合の成膜プロセスをそのまま適用可能かどうかを確認するため、UV・オゾン洗浄や、トルエン中での浸漬の影響を調査した。その結果、UVオゾン洗浄については、最表面が平滑層であるため、特に影響はなかった。トルエンへの浸漬においては、平滑層がない裏面において粗さの増大が認められ、耐薬品性の高いPENであっても、トルエン溶媒を避ける方が良いことが明らかになった。そこでエタノールを溶媒として単分子膜の成膜を試みた。その結果、銀薄膜上での1ードデカンチオール膜の形成をエリプソメトリーを用いて確認できた。従って、フレキシブル基板上の銀薄膜において、本方法を適用するためのプロセスを確立できた。
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Research Products
(7 results)