2014 Fiscal Year Research-status Report
超微細塑性加工と相分離現象を融合した高アスペクト比ナノ微細加工プロセスの創成
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25630317
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 雄一郎 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10322174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 晃徳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50542198)
西山 宏昭 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (80403153)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精密・特殊加工プロセス / トップダウン-ボトムアップ融合プロセス / 相分離 / ナノ塑性加工 / 析出 / 転位 / 相変態 / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究では、初年度の結果を理解するため、フェーズフィールドシミュレーションを用いて 塑性変形で導入されるひずみエネルギーの組織形成に対する寄与を調べた。Alか飽和なα2単相の状態で局所的にひずみを導入してからγ相が析出する条件に保持するシミュレーションを行ったところ、ひずみを導入した箇所から優先的にγ相が成長する実験結果を再現することができた。このことから、局所塑性ひずみの導入によるγ相の生成位置の制御が原子レベルの積層の変化だけでなくサブミクロンオーダーのひずみ場の存在によっても影響されることが示された。また本手法をTi-Al系以外の合金系でも展開すべく、Ti-Al系と類似のHCP-FCC相変態が発現するAl-Ag 系での実験を行った。しかしながらAl-Ag合金単結晶育成が困難であったため、Al-Ag合金の超微細加工と光学特性評価の代わりに、Ti-Al合金で得られるナノフィンアレイをテンプレートとしたAgの微細構造制御とその光学特性評価を行うこととした。なお、これまでの成果をまとめた論文がActa Materialia誌に掲載されるとともに、日本金属学会優秀ポスター賞を受賞するなど高く評価されている。
Nanoplastic deformation on Ti-39 at.% Al single crystals for manipulation of every single gamma lamella Dai-Xiu Wei, Yuichiro Koizumi, Hiroaki Nishiyama, Akinori Yamanaka, Masahiko Yoshino, Shinpei Miyamoto, Kyosuke Yoshimi, Akihiko Chiba, Acta Materialia 76 (2014) 331-341.doi:10.1016/j.actamat.2014.05.031
Nano-plastic deformation on Ti-39 at.%Al single crystals for manipulating the precipitation of γ lamella,魏 代修, 小泉 雄一郎, 千葉 晶彦, 西山 宏昭, 山中 晃徳, 吉野 雅彦, 日本金属学会秋期(第156回)講演大会優秀ポスター賞, 東京大学, 2015.3.18-20.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のとおり、Ti-Al合金を用いた研究は順調に進んだが、Al-Ag合金の単結晶化が困難であったために、その光学特性評価にまでは行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Al-Ag合金から直接光学特性評価用試料を作製する代わりに、Ti-Al合金を用いて作製したナノフィンアレイをテンプレートとしてAg等の周期構造を作製しその光学特性評価用試料を作製する。
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Causes of Carryover |
平成26年10月に研究分担者の所有する電子線描画装置のトラブルが発生し、同年内に実施する予定であったモールド作 製ができない状況が続き、SiCモールドによるナノインプリント実験を行うことができなかった。そのため、その後の 断面TEM試料作製、熱処理、組織観察に使用する予定であった費用が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年2月になり同装置の修理が完了したので、これからモールドの作製ならびにナノインプリントを行う予定であ るが、年度内に完了するのは困難である。従って未使用額分費用については、次年度に、ナノインプリント実験、TEM 試料作製、熱処理、組織観察実験の費用として使用する。また、実験の予定を変更し、Ti-Al製テンプレートを用いてAgあるいはAuの微細構造の作製とその光学測定を行うので、その費用に充てる。
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Research Products
(8 results)