2013 Fiscal Year Research-status Report
極低温プラズマによる次世代材料の表面改質・加工プロセスのための現象論的取り組み
Project/Area Number |
25630329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川添 博光 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40260591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | SWP: Surface Wave Plasma / Electron temperature / Electron number density / Plasma Absorption Plobe / Double Plobe Method |
Research Abstract |
平成25年度の第1目標となる単純構造の表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)発生装置を構築した。10mm×45mmのスロットアンテナを通し、内径220mm、高さ130mmの円筒内でSWPを発生する。この円筒室には2つの光学計測窓用と6カ所からの探針プローブ挿入口を配置した。 安定したSWPの発生条件を探索した結果、作動気体がAr(アルゴン)の場合、供給電力400W、Ar作動圧力32Paを基準条件として選定した。発生したSWPは620~760nmの赤色を示すスペクトルが強く発光し,これに400~500nmの青色を示すスペクトルがわずかに混じる状況となっている。なお、電離したArIIのスペクトルも確認した。 プラズマ特性を解明するための準備として、当初予定のラングミュアプローブ法(短身シングルプローブ法)の代わりに、小さな飽和電流のためSWPへの影響が小さく、また2針のため外部磁界の影響も少ないダブルプローブ法のためのプローブを作製した。検討段階であるが、電子温度が2.5eV程度と思われる。 また電子密度を計測するため、プラズマ吸収プローブ(PAP:Plasma Absorption Plobe)を作製した。これも検討段階であるが、円筒チャンバ中央部において、おおよそ3.5×10^11程度の電子密度になっているものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置構成計画に比べ予想以上に早く進展した。これは、(株)ニッシンによる協力が大きい。また、単針によるラングミュアプローブから2針のダブルプローブ法への計測プローブの変更は効果的であった.
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Strategy for Future Research Activity |
基準条件(作動ガスがAr、供給電力400W、Ar作動圧力32Pa)のSWPを対象に、PAPを用いたチャンバ内電子数密度の空間分布を計測する。また、チャンバ内気流のCFD解析および電場解析を実施し電子数密度分布との関連性を調べる。さらに、チャンバ内の代表的な複数の箇所に銅板を設置し、各銅板表面の改質によるぬれ特性とSWP特性の関連について調べる。 一方、ICCDカメラを用いた分光計測による電子励起温度の調査を行い、新たに本SWPに適用可能なC-Rモデルを考案して反応素過程を探るとともに電子温度の探索法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
SWPプラズマ気流特性を解析するにあたり、微弱な発光スペクトルを高精度に計測する必要が生じた。そのため、イメージインテンシファイアを本研究の連携研究者が別途、予算配分を受けた科学研究費と合算し、平成26年度に購入することとした。このため繰り越しを行った。 上記イメージインテンシファイヤは、その納期に若干の日数を要するため、平成26年6月頃の購入を予定している。
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