2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属製錬における選鉱技術を用いた繊維製品廃棄物から動物繊維の回収とその有効利用
Project/Area Number |
25630334
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 伸治 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10208796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛谷 俊博 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00424945)
山内 見和 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 教授 (40299821)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 羊毛繊維 / 混紡糸 / 交織織物 / 粉砕 / 篩分け / 羊毛粉末回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
羊毛が水熱環境下で脆化することを利用し、羊毛の混紡糸や交織織物から粉砕と篩分けにより羊毛のみを回収することを目的とした。 模擬廃棄物には、羊毛を含む混紡糸(① 羊毛70%-ポリエステル25%-ナイロン5%、② 羊毛57%-レーヨン30%-ナイロン10%-カシミア3%)と交織織物(③ 羊毛83%-ナイロン17%、④ 羊毛30%-ポリエステル70%)の他、純毛の布地を用いた。模擬廃棄物を裁断後、それぞれ約20 g秤量したものに400 mlの水を加え、403 K、0.2 MPaの加圧下で1.8 ks保持する蒸煮処理を行った。その後、粉砕と篩分けを行った。 最初に、蒸煮処理前後の純毛の布地の場合、-200 meshの粉末の回収率は、蒸煮処理前で約8%、蒸煮処理後では約84%まで向上した。シルクよりも羊毛の方が蒸煮処理により格段と粉砕しやすくなった。また、混紡糸や交織織物の場合、羊毛比率が多いものほど-200 meshの粉末の回収率が増大した。一方、④羊毛30%-ポリエステル70%の場合は、粉砕されなかった。引張強さ(ヤング率)がポリエステルの0.26~0.44 MPa(3.04~8.53 GPa)、ナイロンの0.46~0.75 MPa(0.80~2.96 GPa)よりも羊毛は低く、また伸びもポリエステルの20~50 %、ナイロンの25~60 %と較べ羊毛は25~35%とわずかに低い他、摩擦寿命がポリエステルやナイロンと較べ羊毛は非常に短いことから、主に羊毛が粉砕されたものと考えられる。 -200 meshの粉末のSEM観察から、①については⑤の羊毛100%と同様の繊維が観察され、羊毛繊維のみが回収された。また、②と③については、篩目を通り抜けた細長いナイロン繊維がわずかに観察された。 以上、羊毛以外の繊維が混じる場合でも樹脂化は可能であるため、カスケード利用向けの羊毛粉末が蒸煮処理と一回の篩分けで回収できることが判った。また、アップグレード利用には、篩別けを繰り返しや、さらに篩分けの後に静電選別を加える必要がある。
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Remarks |
「繊維廃棄物は宝の山~動物繊維廃棄物から生まれた新しい樹脂~」イノベーション・ジャパン2014-大学見本市-、9月11~12日 東京ビッグサイト
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Research Products
(14 results)