2014 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体ゲルを利用した多機能性バインダーによる空気電池の革新的正極の創製
Project/Area Number |
25630342
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
下山 裕介 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30403984)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イオン液体ゲル / 超臨界キャスティング |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体ゲルをバインダーとして利用した炭素電極の作製において,超臨界二酸化炭素による乾燥,ならびにナノ空間へのキャスティング効果について検証を行った.カーボンナノ粒子,polyvinlylidene fluoride (PVDF)を分散させたN-methylpyrrolidone (NMP)ペーストを作製し,導電材として用いるカーボンシート上へ塗布した後,超臨界二酸化炭素による乾燥を用いて,カーボンエアロゲル電極を作製した.超臨界乾燥を利用することで,カーボンシート上に均一に分散したカーボンエアロゲルを作製することができた.次に,カーボンエアロゲル電極上に,イオン液体を滴下し,超臨界二酸化炭素中において,カーボンエアロゲルのナノ空間へキャストする手法を図った.その結果,超臨界二酸化炭素によるカーボンエアロゲルのナノ空間への,イオン液体ゲルのキャスティングにより,作製した電極と,リチウムイオン伝導に用いられる電解質との界面抵抗を大幅に低減させることが確認された.さらに,本手法により作製したカーボンエアロゲル電極を,リチウムー空気電池の空気極として適用した結果,高分子であるPVDFをバインダーとして利用した場合と比較して,イオン液体ゲルをバインダーとして利用した場合の方が,電気容量が大幅に増大することも確認した.以上のように,イオン液体とPVDFから構成されるイオン液体ゲルをカーボン粒子同士のバインダーとして利用することにより,電解質からのリチウムイオン伝導において電極間との界面抵抗を低減することにより,リチウム空気電池の性能を向上させることを確認した.
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