2014 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を利用した複合半導体薄膜作製法に関する基礎的検討
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25630346
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
滝嶌 繁樹 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10188120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 将司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90432682)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 半導体 / 金属薄膜 / 成膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は前年度作製したcold-wallタイプの攪拌静置型超臨界蒸着装置を用い、まずbis(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionato)copper(II) (Cu(thd)2)を前駆体としたシリコンウエハ上への銅薄膜の蒸着に関し、蒸着温度と攪拌速度の影響について検討した。その結果、蒸着温度300℃以上において基板上に薄膜が得られた。また、攪拌により得られた薄膜の電気抵抗は減少し薄膜の連続性は向上した。さらに同様の手法により、tris(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionato)cobalt(III) (Co(thd)3)を前駆体とした銅基板上へのコバルト薄膜作製を試み、前駆体濃度に対する薄膜形状ならびに連続性についてSEMとサイクリックボルタンメトリーにより評価した。 次に、機能性複合薄膜の作製法の検討として、Ferrocene(Fe(cp)2)ならびにCo(thd)3を前駆体、酸素を酸化剤として、コバルト-フェライト(CoFe2O4)薄膜の作製を実施した。基板には単結晶酸化マンガン(110)を用いた。蒸着温度250-300℃、前駆体Co(thd)3導入量を二酸化炭素への飽和溶解度の0.5-1倍(Fe(cp)2はCo(thd)3の2倍量)、酸素分圧0.1-0.8MPaとして蒸着を行った。その結果、前駆体導入量および酸素分圧が低い場合において良好な形状の薄膜が得られ、前駆体、酸素濃度の高い場合には凹凸の大きな薄膜となった。しかしながら得られた薄膜の組成をラザフォード後方散乱法により分析した結果、Co/Fe原子比は約4であり、得られた薄膜はコバルト過剰であることが分かった。 以上のように、超臨界流体を利用した単一および複合金属薄膜の作成に関して温度、圧力、濃度等の影響を明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)