2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸窒化物光触媒の精密構造物性: 構造からバンドギャップは予想できるか?
Project/Area Number |
25630365
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八島 正知 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00239740)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光触媒 / 構造解析 |
Research Abstract |
金属酸窒化物半導体微粒子の光触媒作用を利用した水の分解が、クリーンな水素製造法として近年注目されている。光触媒の開発にとって重要な結晶構造とバンドギャップの相関はわかっておらず、多くの実験と経験により光触媒が開発されてきた。構造が似ているが、バンドギャップを大きく変化させることができる(チューニングが可能な)ペロブスカイト型金属酸窒化物ATaO2N (A = Ba, Sr, Ca)およびBaNbO2NおよびSrNbO2NおよびCaxSr1-xWO2Nを選択した。これらの金属酸窒化物を合成し、放射光X線・中性子回折測定、反射率測定、理論計算を行った。その結果、これらの物質における結晶構造とバンド構造が明らかになった。 BaTaO2N, SrTaO2N, CaTaO2Nの結晶構造はそれぞれ立方、正方、斜方ペロブスカイト型であることを確認した。対称性が上がるにつれてTa-(O,N)-Ta結合角も180°に近づいた。放射光X線回折データを最大エントロピー法により解析した結果、ATaO2NのTa-(O,N)結合間の電子密度はA=Sr, Caに比べてA=Baが最も低くなることが実験とDFT計算の両方からわかった。BaTaO2NではTa-(O,N)結合長がSrTaO2N,CaTaO2Nに比べて長いので電子密度が下がったと考えられる。ATaO2N (A=Ba, Sr, Ca)の伝導帯はTa 5d軌道から成り、価電子帯は主にN 2p軌道、軌道から成ることを電子の状態密度により確認した。さらに酸窒化物Sr1-xCaxWO2Nの合成を試みた。その結果、x=0.25, 0.75において、新規酸窒化物が合成できることがわかった。酸窒化物Sr1-xCaxWO2N全組成を立方晶Pm-3mと仮定してリートベルト解析を行った。
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Research Products
(14 results)