2013 Fiscal Year Research-status Report
昆虫表皮タンパク質を用いたキチンファイバー積層構造材料の力学特性制御
Project/Area Number |
25630371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新垣 篤史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10367154)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タンパク質 / キチン / 硬組織 / プロテオミクス / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
平成25年度は、ニホンカブトムシTrypoxylus dichotomusの表皮の硬化過程に関わるタンパク質の同定を目的とし、以下の項目について検討を行った。 -表皮の構造の解析:硬度の異なるボディ各部の表皮を調製し、走査型電子顕微鏡を用いて解析を行った。また、元素分析により、各部に含まれる元素組成を明らかにした。 -表皮タンパク質の抽出方法の検討:硬化した表皮からタンパク質を分離する手法を検討した。SDS-PAGE及び二次元電気泳動により、効率的にタンパク質が得られることを明らかにした。 -硬化前後の表皮タンパク質の比較解析:羽化直後の硬化前の上翅と、成虫の硬化後の上翅の表皮に含まれるタンパク質プロファイルの比較解析を行った。その結果、表皮の硬化過程に伴って発現量が増減するタンパク質を同定した。 -表皮タンパク質の同定:上翅の表皮の硬化に伴って発現の増加したタンパク質のN末端アミノ酸シークエンス解析を行った。既知の昆虫のゲノム情報に基づいた相同性解析から、複数の新規タンパク質の存在を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、硬化過程に関わるタンパク質の分離に成功し、そのシークエンス解析から新規のタンパク質であることを明らかにした。また、表皮構造や組成から、硬度の高い部位の構造的特徴も明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、得られたタンパク質を用いてキチン/タンパク質の複合化材料を作製し、機械特性の評価を行う。具体的には、以下の項目について検討を行う。 -固相上でのキチン/タンパク質複合体の形成 -溶液中でのキチン/タンパク質複合体の作製 -キチン結合活性試験 -キチン/タンパク質複合体を用いた無機/有機複合材料の作製
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