2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25630378
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤山 和仁 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (70209112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 貴生 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教 (10597876)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸菌 / 組換え / ヒト型糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該プロジェクトでは、大腸菌を用いて、ヒト型糖鎖を持つ組換えタンパク質生産に成功した。 昨年度は、Campylobacter jejuni JCM 2013の糖鎖修飾オペロンの取得し、当該プロジェクトに必須な遺伝子を同定した。さらに、大腸菌で発現させたモデルタンパク質において、Asn-HexNAc-GalNAc- GalNAc- GalNAc- GalNAc(-Glc)- GalNAc- GalNAc構造で、既報と異なるAsn-HexNAcを構築でき、ヒト型化構造創出の基礎となることを示した(Srichaisupakit et al, J Biosci Bioeng. 2014 )。アーキア、酵母、ヒト由来遺伝子を取得した。 今年度は、取得したアーキア、酵母、ヒト由来遺伝子を大腸菌で発現させることを試みたが、アーキアとヒト由来遺伝子は発現しない、あるいは発現量が低かった。一方で、出芽酵母由来の遺伝子は機能したため、当該研究では酵母遺伝子を用いた。最終的にヒト型糖鎖付加機構の創設に用いた酵素遺伝子は、i) Campylobacter jejuni JCM 2013由来糖鎖転移酵素PglB、ii) 出芽酵母由来糖転移酵素ALG1, ALG2, ALG13, ALG14、の合計5種である。これら遺伝子を、その配置の最適化、プロモーターの選定など行い、最終的に2種の発現ベクターを構築した。まず、大腸菌内で前駆体型糖鎖として目的とする構造を持つ糖鎖が合成されていることをHPLCとMSを用いて確認した。その後、大腸菌で生産させたモデルタンパク質について、その糖鎖構造を検証し、Man3GlcNAc2型糖鎖が付加していることを確認できた。以上から、大腸菌を用いてヒト型糖鎖を持つ組換えタンパク質を生産する技術基盤が完成できた。この技術を活用し、大腸菌での医療糖タンパク質生産が期待できる。 発表論文;Production of initial-stage eukaryotic N-glycan and its protein glycosylation in Escherichia coli. Srichaisupakit A, Ohashi T, Misaki R, Fujiyama K. J Biosci Bioeng. 119(4):399-405 (2015)
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