2013 Fiscal Year Research-status Report
電磁誘導推力による高密度プラズマの連続パルス加速の研究
Project/Area Number |
25630387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小泉 宏之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (40361505)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大電力電気推進 / 宇宙推進 / ヘリコン波プラズマ / 電磁誘導加速 |
Research Abstract |
【短円管+カスプ磁場によるヘリコン波プラズマの生成】 低アスペクト比の絶縁容器にヘリコン波プラズマの生成を実施した.一般のヘリコン波プラズマはアスペクト比の大きい長円管を用いるが,そのような形状はプラズマ推進機としては不向きであるため,本研究では短円管での生成に挑戦する.この達成のために,通常の直線磁場の外に,プラズマ閉じ込め効率の高いカスプ磁場を適用した.アンテナには大口径のヘリコン波プラズマに適したスパイラルアンテナを用いた.生成したプラズマの評価は,ダブルプローブによるプラズマ密度測定によって行った.この結果,電力200W投入時にプラズマ密度4e12 cm^-3という高密度プラズマの生成に成功した. 【パルス放電による高周波加速の模擬】 平成26年度に購入する加速用高周波電源の仕様を決定するために,高周波加速の模擬実験を行った.高電圧キャパシタとギャップスイッチを用いたパルス放電回路により,加速コイルに瞬間的な大電流を流しこれに伴うプラズマの挙動を調べた.プラズマの挙動はダブルプローブを3箇所に設置し,時間的な変化をみることで判断した(TOF法に近い).実験の結果,コイルの位置と電流に応じてを変化させることにより,プラズマの挙動が大きく変化することを実証できた.現時点では明確なプラズマ流までは確認されていないため,今後,最適なコイル電流条件を調べていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的であった【短円管+カスプ磁場によるヘリコン波プラズマの生成】【パルス放電による高周波加速の模擬】のいずれも達成した.前者に関しては,様々な形状を試して最適なプラズマ生成条件を確立するという段階までは達していないが,当初の目標にある形状で目標以上のプラズマ密度を達成しているため問題ない.後者に関しても,明確な加速までは実現できていないが,高周波加速を模擬すること,ならびにそれによるプラズマ挙動の観察には成功しており,総じて順調に進んでいるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
26年度はプラズマ生成方法を確立する(再現性が高く,実験自由度の高い生成方法)ことと,電磁誘導加速に与えるパラメータとして何が最も影響するのかを重点的に調べる.また,加速コイルを複数設けて位相差を与えることで,traveling waveを用いた電磁誘導加速の可能性についても調べていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は以下の事項による:1.真空チェンバー装置を別の研究とシェアしていることにより,その修繕費用が少なく済むことが出来た;2.学会での発表を一定の成果が得られてからとしたため,発表する学会の時期および種類が変更となったため;3.セラミックやガラスなど破損可能性が大きい部品についての費用が軽微ですんだため 研究に必要な加速用高周波電源のスペックは,現在実施している実験の結果に左右される.特に,電源の価格はその電力レベルによって左右されるため,昨年度からの繰越金と合わせることにより,より適切な高周波電源の購入を行う.
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