2013 Fiscal Year Research-status Report
トポロジー概念による空港周辺の最適航空交通管理アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
25630388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上野 誠也 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (60203460)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 航空交通管理 / 最適制御 |
Research Abstract |
航空輸送量の増大に伴い空港周囲における過密状態は急激に悪化しており、遅延による燃料費の増大や環境影響が問題化している。本研究は、このような背景から様々な制約条件を満たしながら、複数機の空港進入の最適軌道を求めるアルゴリズムの開発を目的としている。 3年間の研究計画の中で、平成25年度は1)モデリングの妥当性の検証と2)有限領域での最適化手法の開発を計画としていた。1)モデリングの妥当性の検証では、本研究の特徴である時間を座標と同じ変数として扱い4次元空間内の軌道最適化を行うことに用いるモデルの妥当性を検証した。まず、ダイナミクスを考慮した軌道の物理量の表現を4次元空間内の軌道の変数で表現することの妥当性を検証した。これにより、速度という物理量は4次元空間内の曲線の傾きで表現でき、消費燃料や後方乱流の危険性なども表現することができた。2) 有限領域での最適化手法の開発では、前述のモデルを用いて、2次元平面の座標と時間の領域での最適化問題を扱った。2機の航空機の飛行経路が干渉する問題を解くことができ、時間的な回避と空間的な回避が評価関数の重みで連続的に変化することが示された。この両者を同等に扱えるのは、時間を空間座標と同じ変数として扱ったモデルの特徴である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の平成25年度の研究計画は、1)モデリングの妥当性の検証と2)有限領域での最適化手法の開発であった。両者に対して、順当に成果を上げており、当初の目標は十分に達せられた。なお、2)有限領域での最適化手法の開発に関する研究成果は、平成25年11月に開催されたアジア太平洋国際航空技術会議(APISAT2013)において速報を発表した。その後も計算結果を蓄積しており、十分に目標を達した進展を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に見直しの必要はなく、当初の計画通りの研究を進展させる方針である。平成26年度は2b)有限領域での最適化手法の開発と(3a)実時間最適軌道計算アルゴリズムへの拡張を行う。前者は座標の次元数を上げて、3次元座標と時間の4次元空間内の最適化への展開を行うことである。後者は、実時間への適用では考慮すべき軌道の本数が無限となるのに対して、本研究では無限本数の軌道を計算する必要がないアルゴリズムを開発する。平成27年度は、(3b)実時間最適軌道計算アルゴリズムへの拡張と(4)実データによる検証を行う。前者は、平成26年度の成果3次元空間軌道へ拡張したアルゴリズムの開発である。後者は、生成したアルゴリズムの実データによる検証である。以上の計画を今後に予定している。
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