2013 Fiscal Year Research-status Report
超軽量高剛性バイコンベックスブームによる大型宇宙構造物の実現
Project/Area Number |
25630394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 康行 日本大学, 理工学部, 教授 (30256812)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 展開宇宙構造物 / バイコンベックスブーム / 超軽量高剛性伸展部材 / 大型宇宙構造物 / 宇宙インフラ |
Research Abstract |
本研究は平成25~26年度の2年間で,4つの課題を順に実施することにより研究目的を達成する.平成25年度は課題1,2を実施した.また,課題3の一部である三次元展開骨組み構造に必要となる,3次元ノードの検討を行った.その実績は次の通りである. 課題1:ブーム一本の数学モデルと力学特性解析理論の構築:組紐被覆バイコンベックスブーム(以下,BCONブーム)は比較的厚肉で曲率の大きいコンベックステープを二つ,エッジで合わせ,その周りを組紐で覆う構造となっている.そこで,1枚のコンベックステープの曲げ変形理論を構築し,それをもとに,2枚のコンベックステープの接触力や組紐による締め付け力を定式化し,BCONブームの非線形の曲率-曲げモーメント関係,ならびに,自己伸展力を定式化した. 課題2:数値計算と実験によるブーム一本の力学特性(収納特性・自己伸力等)の評価:課題1の成果をもとに,1ブーム2ノードのBCONブームの伸展運動のシミュレーションを行った.その際,陽解法の構造保存型解法を考案した.また,ノード内でのブームの接触問題も解くことで,伸展中のノードの局所回転運動も含めて運動を模擬できた.そして,実験により,1枚のコンベックステープの自己伸展力を測定する方法を考案し,実際に測定した.これにより,定式化の妥当性を確認し,数値計算で伸展運動をシミュレーションすることが可能であることを確認した. 課題3:本ブームを用いた三次元展開立体骨組み構造物の試作と数値計算及び実験による収納/非同期展開性能評価:BCONブームを用いた三次元トラス構造を実現するには,ノード部の設計がポイントであり,最もシンプルな直交配置型の他に,正四面体型配置を検討した.その結果,巻き付け機構を極限まで簡素化することで,正四面体型配置が可能であることを確認した.平成26年度はこれをもとに実験モデルを開発する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来,定式化されていなかった,コンベックステープの曲げ理論や,それを応用したBCONブームの曲げ理論を定式化できたことは,世界的にも価値の高いものであり,コンベックステープが宇宙用展開構造の補助部材として利用することが多くなってきている現在,この成果は多くの研究者やメーカー技術者に有用となると考える.また,BCONブームの伸展運動のシミュレーションでは,研究の副産物として,多体力学の手法を用いて,ブームとノードの接触の有無をシームレスに考慮した定式化,ならびに,陽解法でありながら,構造保存できる解法を構築しており,これは多体動力学分野で大きな成果となる.当初の計画に対して,BCONブームのねじり理論の定式化が途中であることが,計画に対して若干遅れている部分であるが,これを差し引いても,当初の計画を上回る成果が出ていると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,BCONブームを用いた三次元トラス構造物の概念モデルの設計・試作・展開実験を行うとともに,よりモジュール数の多い二次元トラス構造物の設計・試作・展開実験も実施する.そして,数値シミュレーションと合わせることで,BCONブームを用いた大型展開構造物が実現可能であることを示す. また,学会発表等により本研究の成果を適宜,内外にアピールすること,ならびに,研究会での議論等を通じて,次世代大型宇宙構造物研究の推進役の一人として次世代の大型宇宙構造物の実現に向けた研究を推進する.それにより,本研究へのフィードバックを得て,本研究をより効果的に推進する.その過程において,計画から若干遅れている,BCONブームのねじり理論の完成を急ぐとともに,曲げ理論や伸展運動の動力学理論を学術雑誌で発表することを急ぐ. そして,昨年度に引き続き,本研究の適用例として太陽発電衛星を取り上げ,太陽発電衛星の研究者とも意見交換を行うことで,本研究の成果を太陽発電衛星に適用した場合の性能を評価し,BCONブームを用いた実現可能な展開構造物例を示す. 以上により,国内外からのフィードバックを得ながら研究を推進し,研究目的である超大型宇宙構造物の実現性を示す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
差額の720円は,実験用消耗品の一部を当初見積りよりも720円分,少なく購入できたために生じた. 平成26年度に購入予定の実験用消耗品に充当する.
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