2014 Fiscal Year Annual Research Report
超軽量高剛性バイコンベックスブームによる大型宇宙構造物の実現
Project/Area Number |
25630394
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 康行 日本大学, 理工学部, 教授 (30256812)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 展開宇宙構造物 / バイコンベックスブーム / 超軽量高剛性伸展部材 / 大型宇宙構造物 / 宇宙インフラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は4つの課題を順に実施することで研究目的を達成するものであり,課題1と2は平成25年度に達成済みである.平成26年度は残りの2つの課題と,それから派生した新たな課題について取り組んだ.その実績は以下の通りである. 課題3「本研究が提案するバイコンベックスブームを用いた三次元展開立体骨組み構造物の試作と数値計算及び実験による収納/非同期性能評価」:例として三角柱のモデルを試作した.収納は問題なかったが,展開については,計算上は問題なかったが,試作モデルでは予想以上に摩擦と重力の影響が大きく,一部のブームが座屈するなど,重力下では展開が完全にはできなかった.最終的には微小重力下で性能を評価するしかないと考えており,本研究期間終了後(平成27年11月)に,航空機を用いた微小重力実験を行う予定である.また,これから派生して,二次元展開トラスにおいて,一部のブームが座屈したりノードでスタックしたりした場合の非同期展開性の評価が課題となった.そこで,19ノード42ブームの二次元展開トラスを試作し,高い非同期展開性があることを示した.また,併せて,このような自己伸展式ブームを用いた大型宇宙構造物の実現には摩擦の影響をより正確に評価できる理論が必要であることが明らかとなり,これについても定式化および計算を行い,試作モデルともよく符合する,摩擦の影響を考慮した設計理論をつくることができた. 課題4「軌道上運動シミュレーションによる千m級大型宇宙構造物の実現可能性評価」:軌道上外乱を考慮した計算までには至らなかった.上述の通り,課題4よりも,ノード部分の摩擦を考慮した,実用に資する設計理論の構築を優先した.その結果,この研究成果の外部プロジェクトでの利用(平成26年度ISAS/JAXA戦略的開発研究費による超小型衛星RG)や,国内外企業による研究・開発への利用(平成27年度以降の共同研究を計画)といった道が拓けた.
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