2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25630414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平島 剛 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00175556)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 廃蛍光管 / レアアース / 自動識別 / 三波長蛍光管 / 選別 |
Research Abstract |
世界におけるレアアース供給は、その9割以上を中国に依存しており、わが国をはじめとする世界各国でレアアース供給の不安定化が懸念されている。蛍光管にはハロリン酸カルシウムを蛍光体に用いるタイプとレアアースを含む三波長形蛍光体を用いるタイプとがあり、今後は三波長蛍光管の需要が世界的にも増えることが予想される。本研究では、各種廃蛍光管から三波長蛍光管、被覆管等を自動的に選別する装置の開発、廃蛍光管を粉砕した混合物からガラスを回収するために、ガラス粉の分級装置内での衝突音をオンラインモニタリングし、ガラスの回収条件を自動制御可能な風力選別装置の開発、さらに、三波長蛍光体回収のための最適プロセスの構築を目的に研究を行った。以下に、平成25年度に実施した研究成果について述べる。 ・白色蛍光体、各種希土類蛍光体の基礎性状測定、粒度分布測定、密度測定、凝集性分析および廃蛍光管中の含有蛍光体の分析を行った。 ・既に粉砕されガラス、白色、三波長の蛍光体が混合された廃蛍光体の品位分析とプロセス中の歩留まり測定を行い、ふるい分けによるガラス粉の粒度分布測定と品位分析を行った。 ・廃蛍光管に365nm付近の励起波長光を照射し撮影した画像を用いた三波長蛍光管の識別、AE(Acoustic Emission)計測装置を用いた被覆管の識別等の機能を有する廃蛍光管識別装置を試作した。さらに、数100本程度の廃蛍光管を、廃蛍光管識別装置に連続的に供給可能な試料供給装置を試作した。 ・AEを用いたオンラインモニタリング機能付きの風力選別装置を試作し、ガラス粉の分級モニタリング試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、各種の分析を行い、各種廃蛍光管から三波長蛍光管、被覆管等を選別するために、画像解析法、AE法等を適用した各種試験を実施し、それぞれの識別法を確立した。その後、手動により1本ずつ廃蛍光管を供給するプロトタイプではあるが、1台で多種類の蛍光管を高速に選別できる装置を試作し、その性能試験を実施した。 さらに、平成26年度に、複数の廃蛍光管を、上記の廃蛍光管識別装置に連続的に供給可能な試料供給装置を試作し、選別装置を改良する予定であったが、平成25年度に、試料供給装置も試作し、当初の計画以上に研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に試作した廃蛍光管識別装置、試料供給装置およびAEオンラインモニタリング機能付き自動制御型風力選別装置について、平成26年度は、以下の項目について、検討、改良を行う。 ・廃蛍光管識別装置の各機能(画像を用いた三波長蛍光管の識別、AE計測装置を用いた被覆管の識別等)の性能向上のため、プログラム等の改良を行う。さらに、廃蛍光管識別装置と試料供給装置を一体化した廃蛍光管自動選別装置の連続選別試験を行う。 ・AEオンラインモニタリング機能付きの風力選別装置を用いて、廃蛍光管を粉砕したガラス、蛍光粉の混合物から分級装置内での粒子衝突音をオンラインモニタリングし、ガラス、蛍光粉を回収する際の制御方式を検討する。 ・廃蛍光管からの三波長蛍光体回収の最適プロセスの構築を検討する。 ・家庭から排出される廃蛍光管の回収率向上のための新たなしくみ作りを検討するとともに研究を統括する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
装置作成が部品の変更により当初予定よりも低価格で納まったため。 発生した次年度使用額は、試作した蛍光管選別装置の信頼性を向上させるために、以下の消耗品の購入に充てる。 ・蛍光管の位置を検出するセンサを接触式から光学式に変更する。 ・制御用の計算機からサーボモータのコントローラへの接続回路を自作品から製品に変更する。
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