2015 Fiscal Year Annual Research Report
熱攻法シミュレータを用いた地下微生物利用技術の汎用シミュレータの開発
Project/Area Number |
25630415
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅井 裕一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70333862)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 微生物 / シミュレーション / 数値モデル / 石油 / EOR / アレニウス / 活性化エネルギー / 増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに実施した油粘度低減微生物を用いた室内石油増進回収実験結果を再現しうる数値シミュレータを構築した。数値シミュレータはCMG社のSTARSを基本とし、微生物の増殖挙動を同シミュレータに組み込まれているアレニウスの式によって表現することを試みた。とりわけアレニウスの式中の活性化エネルギーならびに頻度因子を、実験で得られた同微生物の増殖曲線を再現できるようにマッチングして、STARS上で同微生物の増殖を表現できるように工夫した。 このようにして構築した数値シミュレータに含まれる油層パラメータ(残留油飽和率、不動水飽和率、相対浸透率曲線など)を調整し、室内石油増進回収実験結果を再現しうる数値シミュレータを完成させた。 同シミュレータを用いて、過去に実施された微生物攻法のフィールドテストを再現し、本数値シミュレータの妥当性を検討した。計算対象として、2001年に中国吉林油田で実施された微生物攻法フィールドテストを採用した。同シールドテストでは、バイオフィルム生産微生物が油層内に圧入され、高浸透率領域が同バイオフィルムで閉塞されて油層内の浸透率分布が均質化され、大きな採油増進効果をもたらされた。当時の試験対象油層データを本シミュレータに入力して油層モデルを構築し、同フィールドテストの数値シミュレーションを実施した結果、フィールドスケールにおける石油増進回収挙動も概ね再現可能であることが示され、市販の油層シミュレータを用いて構築された微生物攻法用シミュレータにより、フィールドスケールでの微生物攻法のシミュレーションが可能であることが示された。
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