2013 Fiscal Year Research-status Report
空気液化サイクルを付加した高効率の複合火力発電システムの研究
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25630440
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平田 邦夫 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60422739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吹場 活佳 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50435814)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エネルギシステム / 複合サイクル / 空気液化サイクル / 液化水素 / 冷熱 / 極低温流体 / 熱交換器 |
Research Abstract |
液化水素の冷熱で空気を冷却する複合火力発電システムについて、システムの熱効率計算を行い、パラメータを変化させて、熱効率の特性を把握した。この結果、液化空気を酸化剤にするシステム(当初案)から、液化酸素を酸化剤とし、窒素は低温のガス状態でガスタービンの空気冷却に利用するシステムに変更することで、より高い熱効率が得られることが示された。このシステムの熱効率は73%であり、従来の複合火力発電の熱効率の60%に比べて、飛躍的に高い熱効率が達成できる見通しを得た。 また、提案する新規発電システムのうち、最も開発が困難な要素の一つである極低温熱交換器について実験的研究を行った。極低温熱交換器の開発においては,熱交換時に発生する着霜をいかに抑えるかが鍵となる。この点について、冷却管表面への微細溝加工を用いた着霜抑制方法を提案するとともに、流路幅が着霜へ及ぼす影響についての基礎研究を行った。微細溝加工について、想定した実験条件下において圧力損失の増加を抑制するとともに熱交換量を増大させる効果を確認した。また、極低温冷却面では流路幅が着霜に及ぼす影響が大きく、流路幅を増大させることで着霜量が減少することが明らかとなった。なお、流路幅の影響についてはCFDによる流れ場の解析を行い、その原因についても検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システムの検討については、平成25年度にシステムの検討を行う計画であった。実績としては、システムの熱効率の計算が完了し、最適な設計点を見出すことができた。 熱交換器については、平成25年度に熱交換器の試験装置の製作を行い液体窒素による実験を行う計画であった。実績として、25年度前期には主に単円管による基礎実験装置を製作し基本的な熱伝達特性を把握するとともに、後期には多列管による熱交換器を製作し性能の確認を行った。おおむね計画の内容を実施し、特に開発の際に問題となると思われる着霜について、重要な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
システムの検討については、検討内容をまとめることにより、学会での発表や重工業企業の訪問を通じて、研究成果の普及を図る予定である。 熱交換器については、昨年度製作した極低温熱交換器を用いて、さらに詳細なデータの取得を行う。提案した微細溝加工による着霜抑制法については、単純な円管では性能が確認されたものの、多列管群による熱交換器に採用するには加工が困難である。現在これに代わる着霜抑制方法としてアルミナの微粒子を噴射する方法等を検討しており、これらのアイデアの検証を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は計画に沿って使用したが、残金(2,500円程度)が残った。 今年度の残金は、次年度の消耗品の購入に充てる計画としている。
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