2014 Fiscal Year Annual Research Report
空気液化サイクルを付加した高効率の複合火力発電システムの研究
Project/Area Number |
25630440
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平田 邦夫 静岡大学, 工学研究科, 教授 (60422739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吹場 活佳 静岡大学, 工学研究科, 准教授 (50435814)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複合サイクル / 発電 / 液化サイクル / 液体水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はロケットエンジン技術の空気液化サイクルを、現在主流を占めている複合サイクル火力発電システムに組み込むことにより、熱効率の飛躍的な向上を試みることを目的としている。現在のLNG発電ではガスタービンで発電を行い、その排熱で蒸気タービンを駆動する複合サイクルの採用により、60%に達する高い熱効率を得ている。このガスタービン部分をロケットタービンに置き換えれば、熱効率は飛躍的に向上し、80%に達する。しかし液・液燃焼のタービンの酸化剤は空気由来の液化空気であり、液化コストの問題を解決する必要がある。本研究ではこの液化コストの問題を解決する新しいシステムを考案し、このシステムの数理モデルを作成、シミュレーションを実施した。提案するシステムでは、燃料をLNGから液化水素に置き換えるとともに、液体水素の冷熱を利用して空気中の酸素を液化する空気液化サイクルを付加する。結果的にシステムは液体燃料方式による発電部分とガスタービンによる発電部分に分かれることになる。シミュレーションではそれぞれをモデル化し、最終的に統合サイクルとして運用した場合の熱効率を計算した。それぞれの方式における圧縮比等を適切に設定することにより、統合システムとして最大73%の熱効率を得ることが可能であることが明らかとなった。既存のLNG複合火力発電システムの熱効率が60%前後であることを考えると、本研究で提案するシステムにより飛躍的な熱効率の改善が見込まれる。また本研究では、提案システムの実用化の際に技術的課題となる極低温熱交換器の実験的研究も実施した。この実験においては、特に障害となる着霜の問題について調査し、V字型障害物を用いた着霜に強い熱交換器を提案するに至った。
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