2014 Fiscal Year Annual Research Report
電極インク内対流制御による高容量化リチウムイオン二次電池炭素負極構造の開発
Project/Area Number |
25630441
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 元 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40336003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 元明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60231271)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多孔質電極 / 物質輸送 / 乾燥プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
電気エネルギーの高効率利用や再生エネルギーと組み合わせた貯蔵デバイス、さらには負荷平準化の観点から各種二次電池の高性能化が求められているが、中でも近年はハイブリッド自動車用途や充電速度向上の観点から高出力密度化が求められている。二次電池は粒状活物質の充填構造である多孔質電極を有するが、その高出力化のためには高レート下において電極層内部のイオンと電子の輸送抵抗(不可逆損失)を低減する必要がある。特に電極層の厚み方向へのイオン輸送を向上させる必要がある。そこで本研究では電極作製プロセスにおける乾燥工程において電極下部面からの加熱を工夫することで、熱対流現象を利用して面内の電極活物質の分布を制御することを着想した。ゴムシートと垂直配向金属繊維のコンポジットを電極層作製基板と加熱板の間に配置し、電極スラリーを基板上に塗布した後下部から加熱する。熱伝導性に優れた金属繊維と接する点(直径約0.1mm)がホットスポットとなり、それ以外の部分との熱対流量や乾燥速度の差異により、活物質粒子の集積が確認できた。さらに溶媒種類、固形分濃度、粒子サイズ、乾燥温度、塗布厚み、塗布方法をパラメータとして複数条件の実験により、その面内分布の制御が可能であることを確認した。本技術は形成した電極層を加工するものではなく、電極層形成時の加熱面を工夫するだけの技術であり、工程数は変わらずまた実プロセスに適用が容易と考える。
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