2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属・酸化物複合水素貯蔵材料のマイクロ波加熱による水素製造技術の開発
Project/Area Number |
25630445
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
森田 健治 公益財団法人名古屋産業科学研究所, その他部局等, 研究員 (10023144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 文 名城大学, 理工学部, 准教授 (90302215)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水素貯蔵複合材料 / 水素ガス製造技術 / マイクロ波加熱 / 金属・セラミックス複合材料 / イオンビーム分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度設備した、金属薄膜スパッタ蒸着装置、マイクロ波加熱用大型電子レンジ、水素吸蔵試料加熱用ガラス容器を用いて、水素ガス放出実験を実施した。試料:これまでに使用したPt/Li2ZrO3/Ptの試料片、総重量=1.05g、加熱装置:1,000W電子レンジ(シャープ社製家庭料理用)、試料容器:約1リットルのガラス製フラスコ、実験方法:試料を、封入したフラスコの真空排気後、電子レンジによる急速加熱し、フラスコ内の放出ガス成分のガスクロマトグラフィーによる分析を3回実施した。 実験結果:第1回目の加熱では、加熱開始直後にピンク色の放電が観測され、0.2m%の水素ガス放出が検出された。第2回目の加熱では、加熱直後、再度ピンク放電が観測され、0.16m%の水素ガス放出が観測された。第3回目の加熱では、放電の色は、ピンクから赤褐色に、更にオレンジ色に変化し、0.30m%の水素ガス放出が観測された。3回の加熱による放出水素ガスの総量は0.66m%であり、また試料の重量減は0.081gであった。これらの結果は、試料1g当たりの水素ガス放出量は6.6ccであることを示し、且つ、試料の体積に対する放出ガスの容積比が、Li2ZrO3の密度3.5g/cm3であるので、約20となり、高圧水素ガスの精製が十分可能であることを示している。 放出実験後の試料は、水蒸気暴露されたが、水素吸蔵は観測されなかった。この結果は、第3回目の加熱における放電がオレンジ色に変わったことから、試料表面が過加熱によるPtの蒸発により変質したと推測される。このことを確認するため、現在実験中である。 これらの実験結果をまとめると、本研究の実施により、水蒸気分解・水素吸蔵・金属-酸化物二層複合水素貯蔵材のマイクロ波加熱のよる水素ガス放出が確認された。今後の課題として、繰り返し利用可能な加熱手法の確立が必要である。
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Research Products
(3 results)