2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25640008
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 聖 金沢大学, 健康増進科学センター, 研究協力員 (10019614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉谷 加代 金沢大学, 保健学系, 助教 (20162258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 運動神経 / 感覚神経 / 細胞生存 / 軸索再生 / zebrafish |
Outline of Annual Research Achievements |
ⅰ) 運動神経系についての実験 再生可能な運動神経系について、脊髄中に神経生存、増殖、再生する神経が存在するか否かを検索した。その結果、中心管の近傍にある上衣細胞に脊髄損傷後速やかに幹細胞マーカー Sox2の発現が上昇する一群の細胞を見つけた。この細胞は、増殖因子PCNAが陽性であり、かつその増殖をSox2が制御していることが分かった。 ⅱ) 感覚神経系についての実験 後根神経節(DRG)中の感覚神経に、脊髄損傷後直ちに切断部位にトレーサーを注入しDRG中のトレーサー陽性の感覚神経を算出したところ、その数は一週後も変化しなかった。この時の細胞死について調べたところ、TUNEL染色陽性の細胞死は観察されず、感覚神経は損傷後も死滅しないことが判明した。また細胞生存に関与するBCl-2陽性細胞は確認できたが、IGF-1陽性は確認できなかった。最後に再生繊維を確認するために、脊髄を下位側で切断(第1回目)し、6~8週後、さらに上位脊髄を切断(第2回目)してトレーサー注入し、DRG中の感覚神経が染まるかどうかを見た所、トレーサーによって染まる神経繊維は確認できなかった。このことは少なくとも、6~8週後においては切断された感覚神経線維が上向きに再生していないことを意味する。 以上から、サカナの感覚神経は脊髄損傷後死滅せず生存するが、生存因子や軸索伸長因子の発現は起こらない。つまり生存するが再生出来ない状態にあることがわかった。今後再生を促すためには、人為的に生存を促進し、軸索伸長因子を細胞内に誘導する実験系の組み立てが必要であると考えられた。
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Research Products
(12 results)