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2013 Fiscal Year Research-status Report

脳転移癌の微小環境においてアストロサイトが果たす役割の研究

Research Project

Project/Area Number 25640014
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionKurashiki University of Science and the Arts

Principal Investigator

坂口 卓也  倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (80192590)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords癌細胞 / アストロサイト / 脳微小環境 / 転移 / 培養海馬スライス
Research Abstract

下記項目について検討を行った。
培養ラット海馬スライスにヒト肺腺癌細胞株 A549 および小細胞癌株 PC 14、S2、87-5 をそれぞれ播種したが A549 のみ生着が確認されたのでこれを対象に解析を進める。播種した A549 は増殖しコロニーを形成しその周辺に抗 GFAP 抗体に陽性反応を呈するアストロサイトが密集することを確認した。他方抗 βIII-チューブリン抗体陽性の神経細胞およびその線維は A549 周辺に偏在を認めていない。本解析系では種差を超え海馬においてヒト肺癌細胞およびラット・アストロサイトが呈する動態を検討することが出来る。
癌幹細胞分取法として紫色レーザーによる Hoechst 33342 排出能を指標とするフローサイトメトリー解析法を開発した。従来の UV レーザーを用いた手法と同様に癌幹細胞を含むと示唆される SP 分画を子宮体癌細胞株において分取することに成功している。肺癌細胞株 A549 に対しこの方法および CD133 発現を指標とする細胞分取を行ったがこの 2 つの指標に基づき分取された癌幹細胞と想定される分画は一致しなかった。そこで幹細胞の分種には普遍性が高い指標であると報告されている ALDEFLOUR (FITC 標識 aldehyde dehydrogenase) を用い A549 の癌幹細胞分画特定を試みている。なお並行して癌幹細胞の判定に必要と成る造腫瘍能解析系を確立した。
次に GFP を A549 に導入し海馬スライスでの増殖を解析したが導入により増殖抑制が認められた。現在 GFP を赤色蛍光を発する mCherry に変更し細胞への投与濃度を変化させ生細胞染色の最適化を図っている。mCherry を用いる理由は癌幹細胞を分取する指標として緑色蛍光を発する ALDEFLUOR の使用を決めたことに基づくものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初は本年度内に解析系を確立し培養ラット海馬スライスのアストロサイトおよびそこに播種したヒト肺癌細胞株および癌幹細胞での蛋白発現を解析する段階にいたることを予定していた。
基本となる解析系の構築については異種間の共培養が達成され培養スライスでの肺癌細胞コロニーも認められたので予定の通りと考える。ただ臨床へのインパクトを想定すればより悪性度の高い小細胞癌株 PC 14、S2、87-5 の応用が望ましかったがスライスに生着せず肺腺癌細胞株 A549 のみの応用に留まった。これについての検討に時間を費やすことは避けることとする。
癌幹細胞の分取については当初の予定より遅れていると言わざるを得ない。フローサイトトリーに用いる FACSAria が故障し継続して使用出来なくなった結果数月の間作業を行えなかったことが大きく影響した。現在は平成 26 年 4 月より新規に導入した FACSAria III を用い検討を再開している。癌幹細胞の分取に関して Hoechst 33342 排出能と CD133 発現を指標とする分取は双方の結果が全く一致しないのでこれらの手法は採用出来ないと考える。そこで ALDEFLOUR を用いて A549 の癌幹細胞分画特定を開始した。
GFP の A549 への導入による増殖抑制が認められたことも遅延につながっている。癌幹細胞分取試薬として緑色蛍光を発する ALDEFLUOR を採用することから赤色蛍光を持つ mCherry へと生細胞標識の素材を変更したのでその最適化に時間を費やしている。
これらの理由から「研究の目的」の達成度は「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

新しく FACSAria III を導入したので解析の対象を肺腺癌細胞株 A549 に絞込み癌幹細胞分取を最優先として検討を進めて行く。これについては分取した細胞の癌幹細胞特性の確認が重要となるであろう。従って造腫瘍能解析等に時間を費やし慎重に進めて行きたいと考えている。
培養スライスを用いた検討については順次使用する抗体を購入し先行してその使用最適化を図りながら進めて行く。鍵となる肺癌幹細胞の分取に先行しスライスに播種した A549 それ自体およびアストロサイトでの蛋白発現を解析しようと考えている。
なお生細胞染色については A549 に与える影響を慎重に解析する。細胞動態の解析に決定的な影響があると推察されれば研究の最後の段階に検討することとなるだろう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

癌幹細胞の分取に用いるフローサイトメトリー機器 FACSAria が故障し継続して使用することが出来なくなったので研究の進捗に遅れが生じた。この為直接経費の物品費の大半を費やす予定であった各種抗体の購入を遅延させたことが大きな理由である。抗体には推奨される使用期限が記載されているのでなるべく使用スケジュールが決まってから購入すべきとの判断である。
癌幹細胞とアストロサイトの発現蛋白を検討する為に用いる各種の抗体・癌幹細胞であることを証明する造腫瘍能解析に使用する免疫不全マウス・フローサイトメトリーでの癌幹細胞の分取に用いる ALDEFLUOR・培養スライス標本作製および癌細胞株の培養に必要な培地などの消耗品の購入に使用する。
研究成果を発表する為の学会への参加旅費および論文の投稿料として使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Isolation of side population cells from endometrial cancer cells using a violet laser diode.2014

    • Author(s)
      Tomiyasu S, Miyamoto T, Mori M, Yaguchi T, Yakushiji H, Ohno S, Miyake Y, Sakaguchi T, Ueda M, Ohno E.
    • Journal Title

      Human Cell

      Volume: 27 Pages: 36 - 42.

    • DOI

      10.1007/s13577-013-0079-2.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Tumorigenesis in cells derived from induced pluripotent stem cells.2014

    • Author(s)
      Nishimori M, Yakushiji H, Mori M, Miyamoto T, Yaguchi T, Ohno S, Miyake Y, Sakaguchi T, Ueda M, Ohno E.
    • Journal Title

      Human Cell

      Volume: 27 Pages: 29-35.

    • DOI

      10.1007/s13577-013-0078-3.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 子宮体癌における癌幹細胞の生物学的特性解析

    • Author(s)
      富安聡、森康浩、宮本朋幸、薬師寺宏匡、大野節代、三宅康之、坂口卓也,、大野英治
    • Organizer
      第54回日本臨床細胞学会総会 (春期大会)
    • Place of Presentation
      東京 グランドプリンスホテル新高輪.
  • [Presentation] Violetレーザーにより分取したside population細胞の特性解析

    • Author(s)
      富安聡、宮本朋幸、森康浩、矢口貴博、薬師寺宏匡、大野節代、三宅康之、坂口卓也、大野英治
    • Organizer
      第8回日本臨床検査学教育学会学術大会
    • Place of Presentation
      大阪 大阪大学コンベンションセンター.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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