2013 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病モデルマウスへのマグネシウム-L-スレオネート投与の予防・治療効果
Project/Area Number |
25640028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小柳 清光 信州大学, 医学部, 教授 (00134958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 絵美 (香山 絵美) 信州大学, 医学部, 研究員 (80623686)
藤田 雅代 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 研究員 (90415539)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / アルファシヌクレイン / マグネシウム / マグネシウム-L-スレオネート / 黒質 / ドパミン神経細胞 / 定量 |
Research Abstract |
アルファシヌクレイン遺伝子組換えパーキンソン病モデルマウス(aSynTgマウス)へのマグネシウム(Mg)-L-スレオネート投与の予防・治療効果を検証することを目的とする。 25年度は、分担研究者藤田はaSynTgメスマウスを信大へ分与し、分担研究者鈴木はそれを繁殖させ、遺伝子検査を行って実験群を形成した。aSynTgマウス8匹、wild2匹にMg-L-スレオネートを飲用させ、aSynTg9匹、wild11匹には通常水を飲用させて、6ヶ月でサクリファイした。サクリファイに当たって、血清と脳脊髄液を採取し、Mg濃度を計測した。サクリファイス個体の多くはパラフォルムアルデヒドで還流固定し、パラフィン包埋して黒質のチロシン水酸化酵素陽性神経細胞(ドパミン神経細胞)の定量的検討にあて、一部は凍結して、線条体のドパミン定量にあてた。経過中、ほぼ1ヶ月おきに全匹のフットプリントを採取し、歩行の異常を比較検討した。 25年度末の時点で、aSynTgマウスへのMg-L-スレオネート投与の有効性は明瞭には現れていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
aSynTgマウスの繁殖は順調で、Mg-L-スレオネートの国外からの入手も問題無く継続している。血清と脳脊髄液中のMg濃度の計測も、研究協力施設(長野県薬剤師会検査センター)の質量分析装置でコンスタントに検出している。パラフィン標本の作製と黒質のチロシン水酸化酵素免疫染色は順調である。フットプリントをコンピュータ入力し、また、新規に、の「ジャンピング計測器」(aSynTgマウスは日中ジャンプし続ける)を特注し、計測を開始した。すなわち実験は順調であり、深刻な問題は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り実行する。1. aSynTg マウスの繁殖と遺伝子検査。2. Mg-L-スレオネートの調整と投与。3. 動物の臨床所見の観察と運動機能解析。4. 大槽からの髄液採取とMg定量。(生後2ヶ月と6ヶ月のサクリファイスに際して大槽から髄液を採取し、Mg濃度を計測する)5. 線条体のドパミン定量。(ELISA法)6. 病変の神経病理学的・生化学的解析。(1)チロシン水酸化酵素(TH)の免疫染色を行い、黒質ドパミン神経細胞を定量的に計測する 。(2) ユビキチン、リン酸化アルファシヌクレイン抗体等を用いて免疫染色し、封入体の形成阻止を検証する 。(3) 電顕観察により、Mg投与による黒質ドパミンニューロンのオルガネラ、特にミトコンドリアへの保護効果を観察する。(4) ミトコンドリアcomplex I、ピルビン酸デヒドロゲナーゼなどの免疫染色を行い、電子伝達系への保護効果を確認する。(5) 酸化ストレス(8-OHdG、8-OHG、4-HNE、Mn-SODなど)、小胞体ストレス(GRP78、カルネキシン、カルレティクリン、KDEL、HSP70など)、アポトーシス(タネル染色、Bcl-2)などを解析し、細胞死へのMg-L-スレオネートの保護メカニズムを明らかにする 。7. 総括:上記所見を総合してMgの効果を確認し、その細胞保護メカニズムを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画で見込んだよりも安価で試薬が購入出来たため次年度使用額が生じた。 次年度使用額と26年度の経費を合わせ、実験器具や試薬類などを購入し、有効に活用して、研究を完遂します。
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Research Products
(2 results)